内容説明
“陰の隣人としての犯罪者たち…”まさしく犯罪は、我々の傍に常に在る。そして、それは日常以外のなにものでもない。犯罪小説の第一人者が、’80年代の殺人事件に材を採り、今日的状況を見事に抉り出した待望のシリーズ第4弾!!
目次
第1話 サラリーマン金融殺人事件
第2話 新宿ラブホテル連続殺人事件
第3話 制服の殺人者―花は真冬に摘む
第4話 暗黒星雲が瞬くとき
第5話 ロマンの夫婦
第6話 アパート床下の恋人
第7話 疾走する消防士
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
32
何気の予約とはいえ、暮れの時期に読む本かぁ。内容は30年前の事件簿、書き手は佐木氏。「日常の、ほらあなたの傍に、こんな事件が」と走るペンが鋭い。とは言え、友人親戚同僚・・そんなに事件ってあったのは聞いたことが無い。これって僥倖といわずして云々。あぁ、あんなん、あったわという事件もありぃで、人は日常の営みのうちに 殆ど忘却の彼方に飛んでいっているんだなぁと人間の性を思う。現在の犯罪状況として個人的に 境界性人格障害的も含め 精神判定が微妙に絡む事例が増えていたり、少年犯罪がじりじり増えているなぁと思った。2016/12/30
eremail
0
1970~1980年代の事件簿。30年経った現在でもこのような強盗殺人が、後を絶たないとは、人間の性の悲哀を垣間見る気がする。分量が多く、書き方も著者らしい癖があるので、前後関係を追うのが難しい事もあるが、内容や描写が面白く惹き付けられて読了してしなった。少しでも良い世の中になって欲しいものです。2025/01/09