内容説明
笑うか、泣くか？悪漢小説。超大型新人の最高傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
115
極道の極道による極道のためのホテル、・・・時々カタギ。頻繁に出てくるDVシーンには閉口したが、任侠道をベースとしたドタバタコメディーに笑った。2014/11/26
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
89
【任侠団体御用達】。平たく言えば〈ヤクザによるヤクザのための〉ホテルが舞台。小説家の木戸孝之介は、ヤクザの親分の叔父が買い取った〈奥湯元あじさいホテル〉に足を運びます。ヤクザの慰安旅行や、チョーエキ帰りのヒットマンなど物騒な面々が一堂に集結。手違いで予約してしまった熟年離婚間近の夫婦、心中するためやってきた家族、さらにホテルで自殺した幽霊まで現れて大騒ぎ。笑いあり涙ありの娯楽小説。〈木戸孝之介〉とは浅田氏が売れない時代に使っていたペンネームだったそうです。この物語におけるホテルとは〈再出発の場所〉かな。2015/02/15
美登利
85
評判通りの面白さでした。ヤクザたちが理由つけて仲間うちで殴り合いするのは、何とか耐えられるんだけど小説家が書いているヤクザ小説そのままに、愛人や継母を殴るシーンはキツいですが、彼も弱い人なんですね。任侠団体専用ホテルとは知らずに泊まった一般客とヤクザら、そこで働く外国人の仲居、支配人やシェフ、その家族たちの騒動。ドタバタコメディの中に真理をつくものがあって、なるほどなあと感心させられました。仲オジ、渋いしなかなか格好良かったですよね。このあとどうなるのか非常に気になるので出来るだけ早く読みたいです！2016/01/09
のぶ
64
約２５年積読になっていた本を手に取った。浅田さんが世に出るきっかけになったとも言える作品で面白かった。ドタバタコメディでさらりと読める。ホテルのオーナーがヤクザ。従業員もヤクザだったり、子供に仕送りするために日本で働く外国人だったり。宿泊客も妻が離婚届を突きつけようと胸に秘めている夫婦だったり、一家心中するために最後の旅をしている家族だったりと訳ありの人間ばかり。そこで働く従業員や起きる出来事で宿泊客がいい方向へ心変わりするストーリーです。大作家になった浅田さんにもこんな時期があったと思うと感慨深い。2024/09/27
mug
63
一見恐ろしくて めちゃくちゃだけれど、心のあるホテル！読み終えて、私自身もプリズンホテルに宿泊したような気持ちになっていた。数々の問題がどう解決していくのかと思ったら…先生、ちょっと強引すぎやしませんか？でも、逆にそれが良かった😂2020/11/10
