内容説明
文学作品の読解指導では、言語表現や構造のもつ作用性に気づかせ、新たな意味を発見したり、対比構造の魅力を探らせることがもっと重視されなければならない。本稿が提案している「課題解決学習の新視点」は、文章表現や構成上の工夫から作品の内容理解を深めていくことにその特色がある。課題設定の視点を、語り手の「効果的表現の工夫」と「意図的表現の工夫」の観点から、「なぜ、そのように表現されているのか」を着目することにのみ絞り込んだ。その相互作用により、児童の恣意的な読みを防ごうとした。
目次
1 読者の意識に現れる文学世界
2 文学作品の魅力を探る“読み”を実現するために
3 新しい課題解決学習をめざすための基本的な考え方
4 これからの課題解決学習の実際
5 「ごんぎつね」を課題解決学習で読む
6 「きつねの窓」を課題解決学習で読む
著者等紹介
中西信行[ナカニシノブユキ]
1944年、北海道旭川市に生まれる。1967年、北海道教育大学旭川校中学校教員養成課程卒業。小学校教諭16年、中学校教諭12年、小・中学校教頭各2年を経て、現在、北海道教育大学旭川校助教授。日本国語教育学会会員。北海道教育大学語学文学会会員。旭川地方作文教育研究会会長。北海道教育大学旭川実践教育学会幹事長
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