出版社内容情報
子どもの主体性を尊重し、教師はファシリテーターとなる教育が注目されています。しかしながら、子どもに任せる=放任のような状態になってしまうケースもあるようです。そこで、どのようにすればうまくいくのか、悩みに寄りそいながら、そのポイントを解説します。
内容説明
なんでいつの間にか、怒ったり、教え込んだりしてしまうのだろう。子どもが自ら動き出す学級をつくってきた著者が、ありがちな悩みに寄り添い、子どもに任せる方法を教える。固定観念を打破する、子どもは自ら育つ、教えるべきときは教える、口を出さずに目をかける、etc.
目次
第1章 「子どもに任せる」をじゃましているものは何か?(「教師は教えるもの」という固定観念;「ならぬものはならぬ」という意識 ほか)
第2章 なぜ「子どもに任せる」とうまくいかないのか?(放任になる;「なんでもよい」になる ほか)
第3章 「子どもに任せる」の三大原則(よく見る;子どもから学ぶ ほか)
第4章 「子どもに任せる」のポイント(口を出さずに目をかける;子どもが学ぶ時間を確保する ほか)
第5章 「子どもに任せる」がうまくいかない悩みとその対応策(学級経営 「自由でいいよ」と言ったら、問題多発…;学級経営 叱れなくて、子どもからなめられます… ほか)
著者等紹介
庄子寛之[ショウジヒロユキ]
東京都公立小学校指導教諭。働き方や子育てを中心に全国各地で講演をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あべし
2
まさに、このタイトルの通りの悩みを持っていたので手に取った本。 自分には圧倒的に、「子どもと共に学ぶ」という姿勢が不足していたのだと思った。『学び合い』をさせていても、見ているのは「子どもの良いところ」と「よくないところ」。そうやって評価するから、子どもたちのやる気は減退していくのだ。そうではなくて、「教室の中で一番学ぶ人間になること」。 どうしてそのような行為をとったのかを聴く。教室をウロウロして、良いと思った行動は即座に価値づけ、つなげ、広げていく。 自分の教室での立ち位置の幅が広がった。2023/08/12
田中彰英
1
任せるってのは相当な覚悟と根気がいる。普通の教師は子どもに失敗させることを恐れる。サボったり違うことしちゃったり。それで周りから色々言われるのも面倒くさいから。でもその子どもの回り道にこそ価値がある。だから、回り道する子どもに付き添って伴走していく覚悟。相当なエネルギが必要。すぐに結果が出るわけでもないし。あと、子ども主体にするには素地が必要。子どもが自走するための基礎技能はしっかり教える必要がある。その辺をすっ飛ばして、やれ主体的だの対話的だのは違う。対立構造でも無く、選択肢を広げるということ。2023/05/05
縁
0
「任せる」と聞こえよく、放り出すのではなく、きちんと子どもを見ること。子どもの姿から日々学び、簡単に決めつけずに問いかける。白黒はっきりつける方が楽だけれど、その曖昧さも受け入れて進めたら。2023/11/04
hara_haru
0
全てのページに付箋を貼りたくなる良書。 「丸投げ」「放任」ではない塩梅を分かりやすく説明している。 これからの教育はこれが主流になるだろう。2023/05/06