目次
第1章 古典の授業をコペルニクス的に転回すべきとき
第2章 古典の授業を転回するためのあたらしい指導過程―教科内容‐教材研究
第3章 『徒然草』を読み拓く
第4章 『枕草子』を読み拓く
第5章 『平家物語』を読み拓く
第6章 『源氏物語』を読み拓く
著者等紹介
阿部昇[アベノボル]
秋田大学大学院教育学研究科特別教授、秋田大学名誉教授、東京未来大学特任教授。専門は、国語科教育学、教育方法学。1954年生まれ。茗溪学園中学校高等学校教諭、秋田大学教育文化学部教授、秋田大学大学院教育学研究科教授等を経て現職。2008年~2011年秋田大学教育文化学部附属小学校校長。「読み」の授業研究会代表、日本教育方法学会常任理事、全国大学国語教育学会理事、日本NIE学会理事。秋田県NIE推進協議会会長、秋田県検証改善委員会委員、2007年~2019年秋田県検証改善委員会委員長。小学校・中学校国語教科書編集委員(光村図書)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんえい
3
めちゃくちゃ面白い。古典文学作品を、古典的なコードと普遍的なコードの2つから読み解くことで、多面的・多角的にその作品を解釈することができる。通読→構造化→問 という流れを、古典の授業でも意識しよう。ただ、古典の場合は現代語訳をして全体像を把握するのに時間をかけすぎてしまうきらいがある。そこをどうスムーズに乗り越えるのか、考えなければならないな。2024/04/11
k.ichihara
0
古典作品を構造的に読む試みを展開している。古典の授業は文法の確認と現代語訳に終始してしまう傾向が強かった。しかし、そうした訳して終わりの授業を展開し続けた結果が、古典不要論につながっているようにも思う。内容が凝縮された古典名文だからこそ、構造的分析にも耐えうるし、現代文ではできないような影響関係、比較分析ができる。本書はそうした古典の深層を読む授業を提案しており、古典の授業を面白くするヒントをくれた。ただ『香炉峰』の漢文の解釈には疑問がある。2021/05/26