内容説明
新学習指導要領では、小学校の学年別漢字配当表の内容が久し振りで改訂された。従前の小学校学習指導要領では、「当用漢字表」を中心とする一連の漢字施策と関連した形で学年別の漢字配当が考えられていた。しかし、この漢字施策が昭和56年10月に廃止され、それに代えて「常用漢字表」が現在では施行されている。この常用漢字表の施行時期から学校教育における漢字指導の内容が新たに検討課題となり、今回の学習指導要領の改訂によって、一応の結着がついたものである。したがって、今回の改訂によって、具体的に漢字指導における字種と字数が示されるようになった新たな「学年別漢字配当表」に基づく、これからの漢字指導のあり方について改めて再考してみることは、必要かつ重要な国語科教育の課題であると思う。
目次
1 これからの漢字指導のあり方
2 1年生の指導例―読み、書き、覚えることの楽しさを体験させる漢字指導
3 2年生の指導例―文・文章中の漢字に興味と関心を持たせ、進んで漢字を覚えようとする意欲を育てる漢字指導
4 3年生の指導例―漢字のなかま分けを通して、語句、語彙の量を増やす漢字指導
5 4年生の指導例―字源・語源に興味を持たせ、知的好奇心を触発する漢字指導
6 5年生の指導例―漢字辞典づくりを通して、系統的・発展的に習得させる漢字指導
7 6年生の指導例―漢字と「表現の豊さか」との関係に目を向けさせ、漢字による言語感覚を磨く指導
8 漢字指導に創意工夫を