内容説明
国語科ほど、教科書教材に頼り、しかもその教科書教材を、定式化された指導過程に沿って教えわからせようとする授業は、他にないのではないか。本書では、国語科授業の最大の問題点を、学習の閉ざされた構造にある、と捉える。教師の側が力を入れて指導すればするほど逆に子どもの学習は閉ざされてしまう。そのような構造に、国語科の多くの授業が陥っている。したがって、もはや小手先の改善策ではすまされない。問題は、国語科授業のあり方そのものを変えられるか否かだ、というのが本書の立場なのである。
目次
1 国語科授業のオープンエンド化とは(国語科授業をなぜオープンエンド化するのか;国語科授業をどうすればオープンエンド化できるか)
2 国語授業のオープンエンド化の実際例(物語文の場合―対話読みから対決読みへ、そして、比較読みへ;説明文の場合―情報の読み取りから情報の生産へ;作文の場合―コミュニケーションと探究(追究)から文章表現の世界へ
言語事項の場合―言葉の世界を広げる
詩の場合―詩の世界で言葉の豊かさと感性を)