内容説明
特別支援においては、「集団の中の個」という見方がとても重要です。困った状況に対して、すぐに指導や支援を行うのではなく、まずは背景を読み解きます。また、何でも個別に支援するのではなく、その状況が生じている集団全体にアプローチし、それと同時に、個別の支援も検討していく取り組みが、とても大切なのです。本書は、学校現場で日常的に目にする光景に対して、これだけはという基礎的スキルを、集団と個のバランスを意識してまとめました。それぞれの項目について、・その状況の背景要因の分析=なぜその状況が生じているのかを読み解く・そのために知っておくべき知識・その状況に対しての(1)集団に対する指導スキル(2)個別の支援スキルをパッケージにしてまとめています。
目次
第1章 教室の環境整備(教室環境の整備原則は?;座席位置決定の配慮ポイントは?)
第2章 コミュニケーション・自己理解(思ったことをすぐに口に出して表現する生徒への指導ポイントは?;困っても人に頼れない生徒への指導ポイントは?;自分自身の状況を理解しにくい生徒への指導ポイントは?)
第3章 生徒指導(特定の生徒や教師への攻撃がある子どもへの指導ポイントは?;絶対に自分自身の非を認めない生徒への指導ポイントは?;忘れ物が多かったり、指示等をすぐに忘れてしまったりする生徒への指導ポイントは?;特別指導を受けている発達に課題がある生徒と保護者への指導ポイントは?)
第4章 授業(英単語が覚えられない、英語の学習に苦戦している生徒への対応ポイントは?;ノート等に写すことが難しい生徒への対応ポイントは?;説明を聞くだけでは理解しにくい生徒への対応ポイントは?;課題を提出できない生徒への対応ポイントは?;固まってしまい、動けない、話せない生徒への対応ポイントは?;自己表現が難しい生徒への対応ポイントは?;入退院を繰り返すなど、学習の積み重ねが難しい生徒への対応ポイントは?;協同的な学習、グループ活動を嫌がる生徒への支援ポイントは?)
第5章 連携・接続(学校全体で特別支援教育を進めていくための推進ポイントは?;教科担任、関連教員間での連携ポイントは?;専門機関との連携ポイントは?;高等学校卒業までに生徒に教えたい社会資源とその指導ポイントは?)
著者等紹介
青山新吾[アオヤマシンゴ]
1966年兵庫県生まれ。ノートルダム清心女子大学人間生活学部児童学科准教授。インクルーシブ教育研究センター長。岡山県内公立小学校教諭、岡山県教育庁指導課、特別支援教育課指導主事を経て現職
堀裕嗣[ホリヒロツグ]
1966年北海道湧別町生まれ。北海道教育大学札幌校・岩見沢校修士課程国語教育専修修了。1991年札幌市中学校教員として採用。1992年「研究集団ことのは」設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。