内容説明
コンフリクトを生む「問い」・内化・外化・リフレクションで深い学びを実現する!
目次
第1章 理論編 自立した読者を育てるアクティブ・リーディングとは?(“家庭の文化資本”の格差―「自由に書いて」と言われることが「不自由」な子ども;浴びるほど読書に浸らせる―読書に親しむ態度は、読書に親しませることで培う ほか)
第2章 準備編 アクティブ・リーディング“読みの方略”10(叙述を“根拠”として正しく入力する;既有知識や既有経験を賦活する ほか)
第3章 実践編 小学校定番教材でのアクティブ・リーディングの授業(2年 かさこじぞう;3年 ちいちゃんのかげおくり ほか)
第4章 実践編 中学校定番教材でのアクティブ・リーディングの授業(1年 少年の日の思い出;2年 走れメロス ほか)
著者等紹介
佐藤佐敏[サトウサトシ]
新潟大学大学院現代社会文化研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。新潟県公立中学校教諭等を経て、平成27年4月より福島大学教授。専門は国語科教育学。「方丈記」完成800周年記念エッセイコンテスト大賞受賞(平成24年11月、京都学問所主催)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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虎哲
3
文学的文章で何を教えるかは悩ましい問題である。この本は「〈読みの方略〉を獲得し、〈物語の法則〉を発見する文学の授業」を提案する。その提案の根底に「〈家庭の文化資本〉の格差」という問題があり、〈家庭の文化資本〉の乏しい生徒も〈自立した読者〉として育てるための言語化の方法を教えなければいけないという思想があることにまず大いに共感した。〈読みの方略〉については、「作者は何を言いたかったか」ではなく、読み手が「何を読み取ったか」について述べることを授業の常態とする考え方の重要性に気付かされた。佐藤論文も読みたい。2019/06/18
U-Tchallenge
1
著者の考える理論と実践がコンパクトにまとめられている一冊である。〈読みの方略〉と〈物語の法則〉を授業で発見させ、自立した読者を育てるというのが、筆者の言わんとするところになるだろう。わかりやすく、納得させられる主張のように思った。ただ読ませるだけ、読める子だけが読める国語の授業ではいけない、と強く感じている。しかし、どこをどうしたらそこから脱却できるのだろうか、と悩んでいる者は多いだろう。その悩みに大いに応えてくれている一冊であった。2021/12/07
どこかの国語教師
0
表紙の下部に「コンフリクトを生む『問い』・内化・外化・リフレクションで深い学びを実現する!」とある。コンフリクト、内化、外化、リフレクション……。もうちょっとわかりやすい言葉にならないか。なじめない。結局は、「ディープ・アクティブ・ラーニング」に端を発するようだけど。中学の定番教材『少年の日の思い出』『走れメロス』『故郷』での実践例が載っている。どれも6時間配当。で、「〈読み方の方略〉の獲得と〈物語の法則〉の発見」がサブタイトルになっていて、それを教えるようだが……。よくわかんない。2017/11/06
にくきゅー
0
雑感。筆者の理論と実践がお手軽な感じで学べる一冊。個人的には、思考力を高める授業の方が好きだった。本作では読みの方略の有用性と絡めて、読書教育を重視しているのが良かった。学んだことが日常に生きることが大事だよね。あっ、あとマクガフィンの話と門島先生の謎解き評論文はつながりそうな気がしたなぁ。2017/09/06