目次
第1章 国語科授業づくりの10の原理
第2章 「話すこと」20の言語技術
第3章 「聞くこと」20の言語技術
第4章 「書くこと」20の言語技術
第5章 「読むこと(説明的文章)」20の言語技術
第6章 「読むこと(文学的文章)」20の言語技術
著者等紹介
堀裕嗣[ホリヒロツグ]
1966年北海道湧別町生。北海道教育大学札幌校・岩見沢校修士課程国語教育専修修了。1991年札幌市中学校教員として採用。学生時代、森田茂之に師事し文学教育に傾倒。1991年「実践研究水輪」入会。1992年「研究集団ことのは」設立。現在、「研究集団ことのは」代表、「教師力BRUSH‐UPセミナー」顧問、「実践研究水輪」研究担当を務める傍ら、「日本文学協会」「全国大学国語教育学会」「日本言語技術教育学会」などにも所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんえい
8
再読。初読当時は100の言語技術について知りたくて読んだけど、改めて読むと今度は10の原理の方が興味深いのだから、読書って面白い。 帰納的説明と演繹的説明の使い分けは意識するようにしたい。言語感覚を醸成するためにどのような働きかけが可能か、教材をどう活用するのか。 そしてあとは、やっぱり文学の授業での言語技術についてもおもしろい。語り手の自己表出をどう捉えさせるか。詳細を読み取らせるだけではない授業の形を模索したい。ここ数年は語り手がキーワードな気がしてる。2020/05/19
しんえい
6
全ての国語科教員必読の書。授業づくりの基礎となる10の原理に、言語技術指導において意識するべき100の原理が端的にまとまっている。やはり読むことと書くことの指導は不可分であり、話すこと聞くことも軽視されるべきではない。言語技術について主に記されていた。言語感覚についても詳しく学びたい。 この本に記されている言語技術を義務教育段階で身につけた生徒達を指導するのが高校における国語科教育だとすれば、どういった指導が可能なのだろうか。…現実には、この本に書かれている言語技術を高校においても指導する必要性はあるが。2019/03/14
しんえい
4
言語技術と言語感覚(正誤・適否・美醜・想像力・創造力)を分けなければならない。どちらを指導する授業なのか、それらを知識・技術・技能のどの段階に到達させるのか。どのような体験でもって身に付けさせるのか。…これらを考える際に実用⟷教養、体感⟷認識によるマトリクスを作成して指導事項を精査する。「スキル訓練型」「発問-指示型」「ワークショップ型」。活用させる段階の授業においてはワークショップ型授業(説明1割体験6割振返3割)を心がける。このような学習活動の中で生徒たちの無意識レベルの言語能力について自覚させる。2020/09/16
虎哲
4
義務教育段階の「国語科授業で使える原理・言語技術について体系的にまとめ」られた良著である。構想から12年かかったという事実の背景にはどれほど苦労があったのだろう。「まえがき」を読まなければそんな苦労が見えないほどに示された体系は洗練されている。大事だと再確認させられるものがほとんどであるが、このような言語技術も生徒に意識させる必要があるし私も意識しなければと思うものもあった。主想(「書くこと」01,「読むこと(説明的文章)」16)は特に問題意識と相まって感銘を受けた。他の良著の条件と同様に参考文献も充実。2019/04/14
にくきゅー
4
すべての領域の言語技術が示されているのは、言うまでもない、この本の特色である。この本をつくりあげた堀氏はやはりとんでもない人だと思う。しかし、私としては言語技術の国語教育における位置が示されたことに注目したい。堀氏は言語技術が国語教育のすべてではなく、言語感覚との対比によって、その位置を指し示している。国語学力の全体像を示したうえで習得するべき言語技術を提示している。これがこの本の素晴らしいところだと思う。2017/11/28