出版社内容情報
陸軍特別攻撃隊の真の姿を描き、鴻上尚史氏『不死身の特攻兵』に大きな影響を与えた菊池寛賞受賞作・全三巻を、三カ月連続刊行。
高木 俊朗[タカギ トシロウ]
著・文・その他
内容説明
陸軍特別攻撃隊の真実の姿を、当事者への膨大な取材と、手紙・日記等を通して描き尽くした記念碑的作品。なぜ現場の反対を押し切って、体当たり攻撃が決定されたのか。“死の触角”を持つ特攻機の実態は。最初の特攻隊「万朶隊」「富嶽隊」隊員らの行動と苦悩とは。菊池寛賞受賞作。(全3巻)
目次
眠り草と特攻隊員―序章
死の触角
機動部隊のゆくえ
最初の陸軍特攻隊
永別の時
レイテ湾総攻撃
行く人送る人
体当り計画の発端
生還の秘策
岩本隊長は出発せしや
富嶽隊第一撃
消えた懐剣
万朶隊出撃
最初の生還
著者等紹介
高木俊朗[タカギトシロウ]
1908(明治41)年‐1998(平成10)年。東京生まれ。1933年早稲田大学政治経済学部卒。松竹蒲田撮影所に入社。42年陸軍航空本部の映画報道班員として、マレーシア、インドネシア、タイ、仏印、ビルマなどに従軍。45年鹿児島県の知覧航空基地に転属。特攻隊員たちの苦悩に触れ、戦記作家として執筆活動をはじめる。54年映画「白き神々の座―日本ヒマラヤ登山隊の記録」(演出)でブルーリボン賞受賞。75年『陸軍特別攻撃隊』で菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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CTC
11
昨年12月文春学藝ライブラリーにて復刊。底本は86年の文春文庫で、初出は74年。『インパール』の一連の著作で著名な氏であるが、正直その代表作は、牟田口らによる歴史の書き換えを防いだという非常に大きな意義があり、生々しい記述に価値があるにせよ、戦記読み物としては決して完成度は高くない。故にこの3巻計5,000円超の本書を読むや否やは勇気が要った。特攻の事だってひと通りは知っているのだから…しかし読み始めればそれが大きな認識誤りだとすぐに悟った。ページをめくる指とドッグイヤーは止まることを知らない。。2019/03/05
teitowoaruku
3
専門職の上に専門外の人間が立つと、ろくなことにならないのは今も昔も変わらないなと思った。2021/06/14
じゃますけ2
1
鴻上尚史氏著の「不死身の特攻兵」を読みその存在を知り、読み始めた書。佐々木友次さんを中心により詳しく書かれた書と思っていたが、その背景についての調査が非常に詳しい。鴻上氏も書かれていた岩本益臣大尉についてはその妻である和子氏の日記からも当日の状況が目に浮かぶかのように描かれている。また富永司令官に関する記述も、この書によって初めて知らされた内容だった。以下2巻へ。 2020/02/29