出版社内容情報
『真田十勇士』でも人気のヒーロー真田幸村。しかし、その実像は名前すら実証されていないほど謎に満ちている。唯一の決定的評伝。
来年の大河『真田丸』の主人公の謎に迫る
『真田十勇士』でも人気のヒーロー真田幸村。しかし、その実像は名前すら実証されていないほど謎に満ちている。唯一の決定的評伝。
内容説明
真田幸村の実像は謎が多い。まず、「幸村」という名前すら確実な史料には記録されていないほどだ。独立した大名にもなっておらず、その生涯を追うことは至難とされてきたが、研究者の間で信頼されている研究書がある。それが小林計一郎の『真田幸村』だ。英雄の実像に迫る、唯一の決定的評伝。
目次
真田三代
関ガ原の戦と上田城死守
九度山村
大坂冬の陣
夏の陣と幸村の戦死
“英雄”真田幸村
著者等紹介
小林計一郎[コバヤシケイイチロウ]
1919(大正8)年長野県長野市生まれ。旧制長野中学校、神宮皇學館卒業。兵役を経て長野工業高等専門学校教授、信州短期大学教授などを歴任。長野県史編纂委員、長野郷土史研究会初代会長を務める。2009(平成21)年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
15
信頼性の高い現存史料読込みと、当時の情勢も考慮した現実的解釈によって、謎の多さが伝説に置き換わってもいる武将・真田信繁の等身大の姿とその戦いを詳らかにしている好著。簡潔で読み易くも、同時に大いに感情移入してしまう独特な文章だった。文中引用される大坂在陣中に肉親や知己に宛てた彼の手紙は、その心情を慮って読めば思わず目頭が熱くなり胸を打つ。伝説はさておき、やはり人格・軍略とも卓越した武将だったのだと改めて感じた。本シリーズは文庫ながら少し値が張るが、昼食代を回しても読んで損の無い、価値ある作品が多いと思う。2016/11/15
叛逆のくりぃむ
12
真田昌幸の次男であり、信之の弟でもある真田左衛門佐豊臣信繁(真田幸村と俗称)について描かれた古典的評伝であり、世人の評価も高い。語り口が物語調であり、この手の歴史的読み物としては読みやすい部類。少ない史料から真田信繁の実像を闡明にしている。2016/10/04
まほろば
2
上方講談師・旭堂南海先生ご推薦の「真田幸村」読本。 著者小林先生は真田幸村をかくも虚像化したのは講談師であると結論づけてます。本書もさることながら、高橋圭一先生の「解説」にも注目。史実と文学と講談(芸能)の違いを的確にそして解りやすく示してくれています。2015/10/25
総兵衛
0
「真田幸村」の実像に迫った著作で、真田氏と信繁を知るに分かりやすいものです。但し、本書は初版が1979年とあるので、例えば平山優『真田信繁』(2015年)を合わせて読むと、より詳しく知ることが出来ると思います。 本書では、幾つか文書の意訳が掲げられており、信繁だけでなく、時代を生きた人の意識なども感じられると思います。2021/08/31