文春学藝ライブラリー
日本人と「日本病」について

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  • サイズ 文庫判/ページ数 241p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784168130403
  • NDC分類 302.1
  • Cコード C0195

出版社内容情報

責任をとらない日本の体質。その根っこには何がある? 歴史学者と精神分析学者。二人の権威が「日本病」について語った白熱対談。

「われわれ日本人は軍人が純粋であったことを忘れてはならないんですよ。
純粋な正義漢たちに国を任せた結果、どうなったのかということをね」

日本ではなぜ会議ばかり開かれるのか。
日本ではなぜ自民党が支持され続けるのか。
太平洋戦争でなぜ日本は惨敗したのか。

今も変わらず、形を変えて現れ続ける「日本病」。
いったい、その根っこには何があるのか。
『「空気」の研究』で日本人を覆う「空気」を鋭く指摘した歴史学者と、
日本人は精神分裂的である、と断じる精神分析学者による白熱の日本人論。
近代日本国家の構造的欠陥と病理をあぶり出し、「病い」克服の道を探る。

内容説明

日本はなぜみじめな敗戦を喫したのか。責任を取らない日本の体質は何に起因するのか。歴史学者と精神分析学者、二人の権威が日本人の病理を徹底分析。今なお古びないカルテを示す。

目次

唯一神と血縁(「断章取義」;神に誓って転ぶ ほか)
教えて治に至る(「本心」に姿;派閥の起源 ほか)
規範なき社会(個人主義的な自我;「なる」と「する」 ほか)
明治体制の自己矛盾(正統主義の系譜;国学とは何か ほか)
純粋信仰(日本民族を治療する;現代日本教信仰箇条 ほか)
組織と共同体(生きがいのパターン;リーダーの適否 ほか)
赤ん坊普遍主義(純粋な正義の恐ろしさ ほか)

著者等紹介

山本七平[ヤマモトシチヘイ]
1921(大正10)‐1991(平成3)年。東京都生れ。昭和17年、青山学院卒業、即日入営。19年、ルソン島へ派遣され、第103師団砲兵隊本部付、少尉にて終戦を迎える。戦後山本書店を創立、政治経済からマスコミ批評に至るまで活発な評論活動を展開

岸田秀[キシダシュウ]
1933(昭和8)年、香川県生れ。精神分析学者。早稲田大学文学部心理学科卒業。和光大学名誉教授。昭和52年、人間は本能の壊れた動物であり、「幻想」や「物語」に従って行動しているにすぎない、とする“史的唯幻論”を『ものぐさ精神分析』で披瀝しセンセーションを呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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まゆまゆ

7
日本人の行動規範となるものは、集団という名の人間関係にある。他方ヨーロッパでは唯一神の存在があり、常に行動規範になっている。そうなったのは、奴隷制がなかったからという一説。そう考えると、日本で宗教がなく共同体主義で、個人主義を認めようとしない社会の雰囲気を解説できるような気がする。共同体として機能しているうちは問題ないが、機能しなくなるとたちまち個人に影響を及ぼすことになるというのも納得できる。2015/07/14

甲楽城

2
対談自体はもう40年近くも前のことで、高度経済成長を成し遂げ成熟期に入った当時の日本の状況と今の状況では、異なる部分も少なくありませんが、根底では今でも十分すぎるくらい通用する内容です。お二人の異なるアプローチから、日本人の深層部分の特性というか、民族性というか、そのようなもの(「日本病」なる表現もそれを言い表す言葉の1つとしてチョイスされているようにも思います)を、じっくり描き出していく様は、最近の単純な「日本人スゴイ」論に辟易する人にとっては、得るものが少なくないのではないでしょうか。2019/08/22

Yoko Narano

2
日本人にとっての「個」とは何かを考えている途中で読んだ。古い対談(ジャパン・アズ・ナンバーワンの頃)なので、今とは少し違うかな?という部分もある。でも、自分や周囲を思い出してうなずく箇所も多く、日本病というのは先人たちによって分析されつくしているんだなと。分かっちゃいるのに、ですね(笑)2015/04/22

niomoc

2
[★★★]自分は日本人的な規範に縛られることが嫌で、それを捨てようという意識があったが、それもちょっと幼稚な考えだったのかなと反省した。自分の行動や考えのもとになっているものをいたずらに否定するのではなく、まずはそれを自覚するところからはじめたい。2015/03/17

ゆーいちろー

1
SNS以前を知っている昭和人としては、現代のSNS社会と言うものが良いものなのか、はたまた過去と比較して悪いものなのか?時として悩まされることがある。連日のように炎上だ、ネトウヨだと「ネット上で」話題になる、その話題そのものがネット以前の社会のようにある程度わたしたちに共通の、信頼に足るものなのかも判別できない。別に炎上も、ネット情報の取り扱いも日本人特有のものではあるまい。いや、ネットに限らず日常のあれやこれやに何となく違和感を感じ、そのもやもやを解決する一助になるのではないか?と本書を読んでしまう。2019/04/26

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