出版社内容情報
この国の歴史は天皇の歴史でもある。古代・天智天皇から昭和天皇まで九人の帝と、天皇制の謎について、稀代の碩学たちと語り尽くす。
こんなスリリングな歴史対談があっただろうか
この国の歴史は天皇の歴史でもある。古代・天智天皇から昭和天皇まで九人の帝と、天皇制の謎について、稀代の碩学たちと語り尽くす。
内容説明
天皇がわからなければ、日本の特殊性もわからない。シャーマンとして、政事責任者として、大元帥として。九人の天皇の治績で俯瞰する日本通史。
目次
古代帝王天智天皇
「聖のみかど」宇多天皇
猿楽を愛した後白河法皇
怨念の人後醍醐天皇
東山文化の祖後小松天皇
乱世の調停者正親町天皇
「学問専一」後水尾天皇
近代化の推進者明治天皇
激動に生きた昭和天皇
天皇及び天皇制の謎
著者等紹介
山崎正和[ヤマザキマサカズ]
1934(昭和9)年生まれ。劇作家、評論家。京都大学文学部卒業、京都大学大学院博士課程修了。著作に『世阿弥』(岸田國士戯曲賞)、『鴎外闘う家長』(読売文学賞評論・伝記賞)、『病みあがりのアメリカ』(毎日出版文化賞)、『柔らかい個人主義の誕生』(吉野作造賞)、『オイディプス昇天』(読売文学賞戯曲賞)など多数。文化功労者、日本芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
36
政治の知恵として権威と権力が二分され、権力の方は交代しても、権威の方の天皇家は代々続いてきた。また天皇は文化や宗教の権威の側面もあった。9人のミカドを採り上げて日本社会の二元性を見事に浮き彫りにする対談集。「天皇の存在が意識される時は国の調子が悪い時。忘れられている時が健康」。この言葉を知ると果たして今はどちらなのか、と悩んでしまいます。2016/01/03
白義
13
歴史の画期となってきた9人の印象深い天皇たちを中心に、権威と権力の分離という統治システムを作り上げてきた日本天皇史を若き山崎正和が当時の権威たちと自由に語った日本論。サロンの形成者としての後水尾天皇や信長との距離で語られる正親町天皇など、それぞれの天皇を中心にしながらも話は日本の政治風土に焦点を当てた日本論となっていき、ホストとゲストの博識に裏付けられた、活き活きとした議論となっている。対談ならではの緩さと話の詳しさがいい塩梅で、象徴天皇制という現代の天皇のあり方を緩やかに肯定する歴史観が全体に流れている2016/02/19
Haruka Fukuhara
12
高坂正尭との昭和天皇についての対談はとても面白かった。他の古い時代の天皇に関しての話もきっと面白いのだと思うけど、自分の関心的に一番フィットしたのはそれでした。2017/07/14
しーふぉ
10
対談だから読みやすい。2015/05/17
鈴木貴博
1
山崎氏が天皇について各界の権威とそれぞれ対談したものをまとめたもので、元は昭和49年に発刊されたもの。テーマは天智天皇、宇多天皇、後白河法皇、後醍醐天皇、後小松天皇、正親町天皇、後水尾天皇、明治天皇、昭和天皇等となってはいるが、結構脱線もしつつ自由な対談が繰り広げられている。面白く読んだ。小生にとっては、公家の役割に関する考察が非常に参考になり、新たな視点を得られた。2019/05/06