文春学藝ライブラリー
聖書の常識

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  • サイズ 文庫判/ページ数 326p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784168130069
  • NDC分類 193
  • Cコード C0195

出版社内容情報

二〇世紀聖書学の飛躍的な成果を踏まえ、日本人には縁遠い「旧約」の世界も含め、聖書の全体の見取り図を明快に示す最高の聖書入門。

「聖書」は、史上最大のベストセラーにして、世界史に最も影響を与えた書である。私たち日本人にしても、「聖書」を知らない人は、まずいない。しかし、聖書についての正しい知識となると、きわめて心もとないだろう。
もちろん西洋との接触が本格的に始まった近代以降、聖書は、多くの日本の知識人にも読まれてきた。しかし、それにしても読書範囲は、「新約」にほぼ限られ、「旧約」の世界は、ほとんど手つかずであった。その結果、「旧約」の世界は、私たち日本人には、依然として、縁遠いものとしてある。けれども、「旧約」を抜きにしては、聖書を正しく理解できない。これこそ、聖書学専門の出版者でもあった著者による、本書の最大メッセージである。
聖書は誤解されている。とくに日本では。その誤解の第一は、「聖書は一冊の本だ」というものだ。日本聖書協会発行の「旧・新約聖書」の目次によれば、旧約は創世記からはじまって39冊の本、新約はマタイによる福音書からはじまって27冊の本から成り立っている。そのおのおのが本(ブック)であって、章(チャプター)ではなく、聖書を一冊の本と考えるのは間違いで、一定の方針で編集された全書と考えたらよいだろう。
「聖書はキリスト教の聖典だ」――これも大きな誤解である。日本人はキリスト教を通じて聖書の存在を知ったため、無理もないと言えるが、聖書の歴史はキリスト教の歴史よりはるかに古く、聖書の大部分は、キリスト教発生以前から存在しており、世界最古の歴史書にして、キリスト教だけではなく、ユダヤ教やイスラム教の聖典でもある「旧約」は、聖書の重要な柱をなしている。「旧約聖書」の世界を背景に、「新約聖書」がどのようにして生まれてきたのか。これを理解することこそ、「聖書」理解の最大の鍵となるだろう。
聖書学の最新の成果を踏まえつつ、「聖書とはどんな本であるか」を明快に解説する本書は、私たち日本人にとって、「聖書」の最高の入門書である。

内容説明

「旧約聖書」の世界を背景に、「新約聖書」がどのようにして生まれてきたのか。これこそ、「聖書の世界」を理解するうえで最大の鍵となる。聖書学の最新の成果を踏まえつつ、「聖書とはどんな本であるか」を日本人向けにやさしく解説する。

目次

誤解されている聖書
聖書誕生の秘密
歴史書としての聖書
イスラエル史としての聖書
日本人にはむずかしい契約の思想
現代も生きる聖書の律法
聖書における預言の重み
革命思想の原点
ユダヤ教の成立とその問題点
聖書のなかの知恵・空と無・恋
キリスト教への胎動(一)―ユダヤ教の三派
キリスト教への胎動(二)―黙示文学と終末論と救済者
キリスト教への胎動(三)―洗礼運動とガリラヤの風土
新約聖書とイエスと同時代の資料
新約聖書のなかのイエス
キリストとは何か―メシア、人の子、神の子、主
使徒の世界―パウロとヨハネ

著者等紹介

山本七平[ヤマモトシチヘイ]
1921(大正10)年12月18日、東京に生まれる。青山学院中等部から高等商業学部を卒業。昭和17年徴兵され、フィリピンで敗戦を迎える。収容所生活ののち22年復員。33年山本書店を創立、主に聖書関係の本を出版。45年にイザヤ・ベンダサン名で出した『日本人とユダヤ人』が大ベストセラーになり、第2回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。以後、雑誌やマスコミの求めに応じ、自らの戦争体験や独自の日本人論を展開、多数の著作を残す。56年、「日本人の思想と行動を捉えた『山本学』」の功績に対して、第29回菊池寛賞を受賞。1991(平成3)年12月10日永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

南北

44
キリスト教信者ではないが、ヨーロッパ文化を知る上で聖書の知識は必要だと考えて読んでみた。自然環境が作り上げたという考え方は極論だと思うが、やはり日本と風土の異なる地域で形成された思想だということがよくわかった。キリスト教だけでなく、ユダヤ教やイスラム教にも言及されているので、それらとの対比からもキリスト教が浮かび上がってくる内容になっていたのは良かったと思う。神学者からは批判されているようだが、予備知識は得られたと考えているので、いつか聖書を読んでみたいと思う。2023/03/24

♦️四菱全事🍀🌐物🔬学🧠念分析官瑛司📚念農家😸情報加工技術者♻二次創作的商的経済人

9
【購入本】久々に聖書を味わった。やはり聖書は面白い。講義や本で知っていた事もあれば知らない事も多く、あまり馴染の無い人にはこれでお腹いっぱいになれる本だと思う。旧約聖書の正典化の話から、聖書を構成する書物の特徴等々を概説し、時々ユダヤ文化と日本文化を対比させた感じに筆を進めてる。ただ、著者の山本七平氏は独学者らしく、専門の学者からみたら怪しいと思われるような解釈もあるらしい。なので、「解説」の佐藤優氏も聖書神学入門書では無いと言っている。けど、佐藤優が言うように、聖書になじみの無い人にとっては良いのかも。2015/03/20

OjohmbonX

4
個人的にいちばん印象深かったのは、旧約聖書のホセア書で、神と争えば人が必ず勝つ、しかしその後絶対に人は神に憐れみを乞うことになる、という認識が示されるという話だった。人は神に勝つ、とは驚きの認識。こういうことかなと思った。神=絶対性とは何かを考えた時に、一般性/特殊性のラインから把握すれば神は人の所有物に成り下がらざるを得ない。せいぜい「主観的に選択される仮定」に落ち着く。でもその後で、実は一般性/特殊性のラインに回収されない項を単独性の中に見出すことになる。人はそこで改めて神に出会うのである。みたいな。2014/02/11

うちこ

3
律法と契約と信条。このあたりの解釈が、一冊を通じて解説されています。ものすごく複雑な世界なのに、アウトラインがつかめる。断定しながら構成するプロセスを想像すると、ものすごい作業だと思う。目次が既に聖書・スートラみたい。世界のニュースが理解できないと、より理解できるものだけにエネルギーを割き、近視眼的になり、自己肯定力が弱ってくると心のなかで誰かやなにかを攻撃し、パタンジャリと一緒に反省する。そんなサイクルが、日本人ヨギの多くのパターンではないかと思う。日本教の輪廻からも抜け出るために、読もう!2014/03/21

水紗枝荒葉

2
一応読んだが、俗説・通説・独自研究の類が多く信頼できない。入手できるなら『旧約聖書を学ぶ人のために』などの論集を初心者にはお勧めしたい。本格的に学ぶなら選択肢はもっと増えるが、今度はアクセスしにくくなる。2023/06/22

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