出版社内容情報
キャッチコピーは「姫の犯した罪と罰」。竹取物語を原案に、莫大な製作費でも話題になった高畑勲監督の遺作を壇蜜さんらが読み解く。
スタジオジブリ[スタジオジブリ]
著・文・その他
文春文庫編集部[ブンシュンブンコヘンシュウブ]
編集
内容説明
彼女はなぜ、地球に生まれ、そして、何に笑い、泣き、喜び、怒ったのか―「竹取物語」を原作に、この世界に生を受けたひとりの女性のいのちの輝きを鮮やかに描く物語。高畑勲監督の遺作を、壇蜜、宮本信子、ヒキタクニオ、辻惟雄、奈良美智、二階堂和美、久石譲、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットらが丹念に読み解く。
目次
ナビゲーター・壇蜜―ジブリのフィルターを通して見た竹取物語
1 映画『かぐや姫の物語』誕生(スタジオジブリ物語『かぐや姫の物語』;鈴木敏夫―高畑さんとの勝負だったこの映画。いまでも緊張の糸はほどけない)
2 『かぐや姫の物語』の制作現場(原案・脚本・監督 高畑勲―全スタッフがほんとうに力を出しきってくれ、みんながこの作品をやり遂げさせてくれた;人物造形・作画設計 田辺修―多くのスタッフに助けられて、完成することができました;美術 男鹿和雄―自然な余白を残すように描いた浅すぎず軽すぎない「あっさり感」のある背景 ほか)
3 作品の背景を読み解く(viewpoint ヒキタクニオ―大人味のアニメ;奈良美智―待つとし聞かば今帰り来む;二階堂和美―限りあるいのちを生きている私たちは ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるき
12
ちょっと異色の作品。ヒリヒリした緊張感があります。2023/03/29
モリータ
8
◆2018年8月文春ジブリ文庫刊。2013年公開「かぐや姫の物語」の解説。2018年4月の高畑勲監督の死去を受けている。◆鈴木敏夫による語り下ろし「高畑さんとの勝負だったこの映画。いまでも緊張の糸はほどけない」より;「どんな人の人生にも功罪両面があるし、映画監督という仕事をしている以上、いつもいい人でいることはできません。人の人生を変えてしまうこともあるし、時には恨まれることもある。とくに高畑さんの場合、いい作品をつくことがすべてであって、その他のことにはまったく配慮しない人でした。よくいえば作品至上(続2023/11/28
Tom
6
最近、高畑作品を一気観したので。特に「かぐや姫の物語」に圧倒された。高畑監督の人となりというものを全く知らなかったのだが、この本でインタビューされている周囲の人々の証言を集めると、一言で言って「ヤベー奴」である。パワハラの権化みたいな人じゃねえか。正直ちょっとショックだった。あんなに素晴らしい作品をたくさん作ってたのに。しかし、これは自分も思うところがある。芸術や古典芸能においては、その創作の過程で”理不尽”が起きるのも、作品の質を高めるためには止むを得ないところがあるのではないか。→2023/09/09
江藤 はるは
6
いまのすべては 過去のすべて2020/05/27
ゆに
5
今年(2018)の8月10日に出たもの。高畑監督の訃報についても鈴木敏男さんが触れています。「かぐや姫」の計画は2005年くらいから話にはなっていたそう。高畑監督の製作方法に難色を示す声と同じくらい、宮崎監督も鈴木さんも、また多くの高畑監督の作品の魅力に惚れ込んだ方々の気持ちが、この作品を完成へ導いたのかなと感じました。個人的に西村さんと川上さんの対談が面白かった。田辺修さんという天才作画さんが欠けても、この作品は出来なかったのか…。それにしても、なぜナビゲーターが壇蜜さん?2018/09/10