出版社内容情報
時代錯誤なまでに厳格な父にしつけられた娘が、狂気に至るまでの心理を感覚鋭く描く表題作ほか、著者の代表的名作を四篇収録する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sasara
23
ネモフィラ似愛らしい花イヌノフグリを父に天人唐草だと一喝され怯えその後も保守的で厳格な父に反論も主張もできず失敗を過度に恐れる性格に成長する。その父は奔放な性格の愛人宅で亡くなり。夜道でレイプされわかってくれるはあの人はとひとりつぶやき金髪で少女趣味のファションで空港で奇声をあげる。イヌノフグリ(イヌの睾丸)花言葉は忠実 。恐るべし山岸涼子ワールド2021/05/14
たまきら
23
「女の子はこうじゃなきゃ」と厳しく育てられた女性の哀しい末路を描くこの話。すっごく読後感が悪いんですが、時々どうしても読みたくなります。女子としてやっぱ、強く生きたい。他人に何と言われても「これでいいのだ!」と胸張って、でもできたら男子に頼らずに自分の足で闊歩できる女子たちを愛でたいものです。2017/06/22
たかこ
21
たぶん小学生だった頃読んだと思う。その頃は狂う=怖い、ぐらいの感情しかなかった。今になり、臨床心理の先生のおすすめで読んでみた。それぞれの物語の主人公たちは心に闇をかかえて、精神の病気にかかっていく。それぞれの環境や、発達段階でおきる出来事とその捉え方によって、将来は大きく変わる。数ある精神疾患の中で病名を何と見立てるか…と考えてしまった。それにしても病気が進む過程が容赦なく、苦しくなるのは山岸涼子さんのすごいところだった。2019/06/13
あつ子🐈⬛
20
『日出処の天子』(略して『ずる天』)に、10代後半で出会ってしまった…。それからずっと山岸センセのファンだ。 怖いのに惹かれる気持ちは、癖になる。中島らもさんの解説も良かったなー。2018/10/09
リッツ
20
短編集。むか~し、読んだ話ばかりだけど全然色褪せない恐怖と悲しみと感動と。読んだことのないかたには是非一度とおすすめしたいぁ。2014/02/03