出版社内容情報
五年前の八月二十二日、悲劇的な最期をとげた作家の魅力を改めて考える。個人秘蔵のアルバムから厳選した写真、吉行淳之助氏らの追悼文、エッセイの名品など収録
内容説明
昭和4年巳歳生まれ、八白土星、射手座。向田邦子の全魅力。不意に現われて不意に去ってしまった人を偲んで…。
目次
向田邦子は戦友だった(山口瞳)
旅の断章(沢地久枝)
名人(山本夏彦)
向田邦子が惚れた男 マハシャイ・マミオの死(須賀三郎)
思い出トランプ
その日、部屋を片づけて旅に出た―向田邦子らいふすとおりい―(松井清人)
40年が変えなかったもの―鹿児島感傷旅行―(関根徹)
Requiem et Hommages(レキエム エ オマージュ)
山本夏彦が選ぶ 向田邦子エッセイベスト5(傷だらけの茄子;海苔巻の端っこ;父の風船;ゆでたまご;スグミル種)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
komorebi20
27
向田邦子さんへの追悼集。向田さんの人となりが交流のあった人達の言葉からよくわかる。不遇な飛行機事故での急逝だが、51歳の人生を太く全うしている。才能のある短命な人ほど人生を謳歌し、生き急ぐ感があるとつくづく思う。2023/11/25
ブルーベリー
12
猫と父親と、やさしさとさびしさとはかなさ。そんな時代、昭和。2014/04/20
ぐうぐう
12
生前に親交があった人達の、彼女に対する愛情がひしひしと伝わってくるエッセイが収録されている『向田邦子ふたたび』。没後2年で出版されたせいか、どの人のエッセイも、まだ悲しみを引きずった、彼女の死の痛みに貫かれていて、読んでいると辛くなってくる。たくさんの秘蔵写真が、まだ彼女が生きているかのような錯覚を容易に起こさせ、さらに辛くもさせる。本当に、本当に惜しい人を亡くしたと、改めて悔しさで胸がいっぱいになる。2011/08/10
ヤスコ
10
追悼号か何かを本にしたものなので、当然故人を讃える寄稿ばかりだか、桐島洋子だけちょっと嫌味っぽいのが気になった。2017/10/17
ツキノ
10
ずいぶん前に購入したもの。再読。ビジュアル版というだけあり、写真も豊富。巻末の「お別れの日」には涙。日本橋三越で森繁さんの「弔辞」実物を見たばかり、というのもあり…2012/07/01