出版社内容情報
【目次】
内容説明
ミステリ、青春、SF、ファンタジー、そして恋愛―1つの街で巻き起こる、5つの多彩な物語。それぞれの世界は少しずつ重なり、思いもよらぬ結末を引き起こす。すべてを知ることができるのは、読者であるあなただけ!第30回松本清張賞受賞の傑作連作短編集。文庫書き下ろし特別掌編「私小説、あるいは歴史小説として」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
なっぱaaua
46
なかなか面白かった。ヤクザの依頼による探偵の推理小説。男女高校生がM-1を目指す青春小説。未来の科学力が突然自身に身に付くと共に未来からの使者が訪れる科学小説。吸骨鬼属と魔法使い族の戦いを描く幻想小説。とある病に掛かった女性の恋を描く恋愛小説。この5編の登場人物がどこかで必ず繋がっているSF小説。エピローグでさえも繋がっている。特に青春&恋愛小説がお気に入り。文庫描き下ろし特別掌編でもこの小説が描かれた経緯が示されて好き。2025/10/18
はっせー
44
本書は、いつも隣にいる人であっても全てを知ることは出来ないを軸とした小説!まず構成に驚く!ジャンルとしてはミステリーにも関わらず、5つのタイプの小説が展開しており、エピローグにかけて伏線が回収される形。各小説のクオリティがめっちゃ高い😄次に驚くのは、凝った仕掛け。ネタバレになるので深くは書けないのですが、最後のエピローグや掌編小説で色んな秘密が明らかになる!また、他にも仕掛けがあります。それは表紙です。いま写っている表紙の裏にもう1つの表紙がある。通読後にその表紙を見るとあぁそういうことかと納得😆2025/10/15
mayu
28
初読み作家さん。読んだあとに表紙をめくると違う表紙が待っているW表紙仕様と「5つの世界が裏返る」の言葉に手に取った推理、青春、科学、幻想、恋愛と全然違うテーマで描かれた短編集。凄く考えられていてW表紙も面白いんだけど、予想外にファンタジーみが強かったのと全編ライトな感じの物語に中々ハマれず読み終えるのに時間がかかってしまった。帯の言葉に期待しすぎてしまったのもある。世界にはハマれずだったけど、表紙や文庫描き下ろしの特別挙編は本を全開で楽しめるような一冊だった。2025/10/01
よっち
27
1つの街を舞台に描かれる5つの世界。少しずつ重なり合い影響を与えあって思わぬ結末を引き起こし、それが世界を反転させてゆく連作短編集。探偵・青影のもとにもたらされる殺されたヤクザの真犯人探しミステリ。好きな相手を紹介してくれることを条件に誘われたM-1挑戦を描いた青春小説。未来人との遭遇から始まるSF小説、追放されて現世にやってきた異世界と因縁の再会を描いたファンタジー、そして不可思議な力を持った女性との運命の出会い。全くジャンルが違う短編からそれぞれが繋がることで見えてくるひとつの結末には驚かされました。2025/09/03
イシカミハサミ
17
「推理小説」 「青春小説」 「科学小説」 「幻想小説」 「恋愛小説」の5編からなる短編集。 それぞれの短編にはつながりがあって 読み味としてはよくできたライトノベル。 おもしろくはあったけれど、 文春文庫から出る本を読むときに求めるテンションとはかけ離れていた。 一般文芸とライトノベルの垣根はかなり低くなったとはいっても ある程度節度はもってもらわないと手にとる時に慎重になってしまう。 文春もこういうことがやりたいなら新潮nexみたいなブロックを作ったほうが読み手に親切だと思う。2025/10/30




