出版社内容情報
嗤う犯人を、絶対許さない。
――「ハングマン」がついに動き出す!
建設会社のサラリーマンがトラックにひかれる事件が起きた。
どうやら殺人らしい。
警視庁捜査一課の春原瑠衣は事件を追ううちに、
被害者と同じ会社に勤める自身の父親にも疑惑の目を向け始め…。
司法で裁けないのであれば、陰の存在〝ハングマン”が悪に鉄槌を下す!
私立探偵ら謎の人物が跋扈する衝撃のミステリー。
解説・中江有里
内容説明
建設会社のサラリーマンがトラックに轢かれる事件が起きた。どうやら殺人らしい。警視庁捜査一課の春原瑠衣は事件を追ううちに、被害者と同じ会社に勤める自身の父親にも疑惑の目を向け始め…。司法で裁けないのであれば、陰の存在“ハングマン”が悪に鉄槌を下す!私立探偵ら謎の人物が跋扈する衝撃のミステリー。
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961(昭和36)年、岐阜県生まれ。会社員生活のかたわら、2009年、『さよならドビュッシー』で、第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、翌年デビュー。このとき、史上初めて二作同時に最終選考に残った「災厄の季節」ものちに『連続殺人鬼カエル男』と改題し、刊行されて話題を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mayu
28
警察に勤める瑠衣の父親の働く建設会社で立て続けに起こる不審な死、父親の様子もおかしい。事件が中々動かず葛藤や苦悩ばかりでもやもやしてしまった。今後シリーズとして描くための序章といった感じなのかな。警察内部のさまざまな人が出てくるので中山さんの刑事ものを読んでいるとより楽しめるのかもしれない。仕方ないけど瑠衣の葛藤が大部分を占めてるのもあって最後に向けて面白くなるも、ちょっとすっきりせずだったなあ。ハングマンの意味がわかってからの今後の方が面白くなるかも。2025/05/11
ぴ〜る
13
「声の小さな者が虐げられ、踏みつけにされる。そして踏みつけにした強者は高笑いしながら栄華を誇る。」この言葉が心に重くのしかかる。負の連鎖はどこかで断ち切らなくてはいけないこともわかる。人が人を殺めていい理由など何ひとつないこともわかる。それでも。。。この国の司法や警察は信用できず、隠蔽もみ消しなんて当たり前にあるのだと思うと、被害者遺族の立場であったならきっと私もこの結末に心は救われるんだろうなって思う。2025/05/22
のぼる
12
刑事になってそれほど長くもない主人公なので、仕方ない面はあるが、思考や行動が甘く、残念ながら波に乗って読めなかった。2025/05/23
NAOAMI
9
現代版仕事人というか同局でオンエアされてた『ザ・ハングマン』シリーズを思い起こす。とは言えテレビのように役になり切った仕置きという訳にもいかず。しかも警視庁捜査一課に所属する瑠衣には、会社の裏金作りの犠牲となった父親の仇を取る=犯人検挙なわけだが、捜査も進まず、肉親の関係する事件故、捜査自体から外されてしまうジレンマ。独自(違法!)捜査で掴んだ証拠で瑠衣を揺さぶる謎の私立探偵。この立場が逆転する心境の変化が小説ならではの丁寧且つテンポヨキ展開で描かれるのがミソ。シリーズ化、ドラマ化されたら面白いなと思う。2025/05/30
elf51@禅-NEKOMETAL
6
これは昔のTVドラマ「ハングマン」だよなと。編集者からの現代版「仕置人」のオファーがあったようで。女性刑事が「昼行灯」役だが,直情,元気な女性として書かれており,キャラクター付けは違っている。ちょっと仕置きに入る動機とか説得力がないけれど,こんなもんかな。中山七里にしては大波はない感じの作品。バスの爆発事故は「嗤う淑女二人」から連動している。2025/05/20