出版社内容情報
『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』著者が放つ、
才能や評価で悩んだことのある、すべての人へ贈る物語
圧巻のエンターテインメント長篇!
【あらすじ】
1980年代のハリウッド、圧倒的に男性優位な映画界で
もがき奮闘する特殊造形師のマチルダ。
現代ロンドンで、ある出来事をきっかけに
自分の才能を見失い葛藤する
CGクリエイターのヴィヴ。
映画の特殊効果に魅せられた二人の人生が
一本の映画を通じて繋がり合う。
創作者の情熱と苦悩を、リアルかつ力強く描いた直木賞候補作。
文庫化にあたり、2024年にアカデミー賞〈視覚効果賞〉を受賞した
『ゴジラ-1.0』などについて熱く語った「文庫版あとがき」を収録。
内容説明
1980年代のハリウッド、圧倒的に男性優位な映画界でもがき奮闘する特殊造形師のマチルダ。現代ロンドンで、ある出来事をきっかけに自分の才能を見失い葛藤するCGクリエイター・ヴィヴ。映画の特殊効果に魅せられた二人の人生が一本の映画を通じて繋がり合う。創作者の情熱と苦悩を、リアルかつ力強く描いた直木賞候補作。
著者等紹介
深緑野分[フカミドリノワキ]
1983年神奈川県生まれ。2010年「オーブランの少女」でミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年に同作を表題作とする短編集でデビュー。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』がTwitter文学賞国内編第1位となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユメ
16
男性優位な時代のハリウッド映画界でどうにか自分の名を残そうと奮闘する特殊造形師のマチルダと、現代でも根強いCGに対する批判を受けて思い悩むアニメーターのヴィヴ、それぞれの映画に対する情熱と葛藤が克明に描かれていて、食い入るように読み耽った。アナログとデジタルの違いはあれど、いつの時代も観客を魅了するのは科学技術の力だ。作品をよりよいものにしようと懸命にもがく技術者たちの熱い想いに胸を打たれる。リメイク版『レジェンド・オブ・ストレンジャー』の最後に流れるスタッフロール、そしておまけ映像は感動的だった。2025/05/31
ミノムシlove
12
マチルダとヴィヴの二章からなる一冊。アナログ人間なのでマチルダの方はおもしろく読めた。ヴィヴの章が始まるといきなり停滞。次が読めない。知識が無いのと、SF映画を見たことがないので次の文がこわくて読めない。技術的な箇所は飛ばしに飛ばして、人間対人間のところを拾い読みして終わった感じ。※好きな映画は『群れ(トルコ)』『12人の怒れる男(1954年版)』『運動靴と赤い金魚』。こんな人間にはちょっとハードルが高すぎた。2025/04/07
ヨシ
8
1980年代のハリウッドで働く特殊造形師のマチルダ。素晴らしい作品を仕上げても、映画のラストのスタッフロールに名前がのることはない。そして、CGという時代の流れに背を向け、表舞台から消えて行く。マチルダに憧れ、現代ロンドンで働くCGクリエイターのヴィヴがマチルダの作品をリメイクすることになって…映画の特殊効果に魅せられた創作者の情熱と苦悩、そして女性であるが故の苦しみは時を越えて響き合う。物を創り上げるということの尊さが読者の心にも感動を与えてくれる。骨太の小説の作者は深緑野分さん。2025/04/19
numno1
8
今50代で、スターウォーズからマトリックスあたりで10代~20代だった私にはどストライクのお話でした。80年代のSFXを駆使した映画の盛り上がりは日本の学生の身でも十分感じられる物だったので、制作現場の熱気はこの本の通りすごいものだったんでしょうね。2025/04/19
てっちゃん
6
特殊効果映像の制作スタッフの情熱がヒシヒシと伝わってくる。ただ、マチルダの名をスタッフロールに載せるためのモーリーンの行動というのが、まどろっこしく、迂遠なプロセスをとっていると感じ、いまいち乗り切れなかった。2025/04/01
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