出版社内容情報
温かい料理と女将の笑顔が、今日も訪れる人たちの心を癒す!
あなたに寄り添う居酒屋物語。
駅ビルが竣工し、ますます便利になる新小岩。
商店街の路地裏に佇む、気の利いたおつまみとおかみの人柄が売りの居酒屋・米屋(よねや)には、今夜も訳ありの客が訪れます。
人気女優や絵本作家、掏摸の名人、大学院生、宝石店の女店長、そしてカウンターで眠り込む謎の客まで現れて……。
寒い季節、女将の笑顔と温かい手料理をどうぞ召し上がれ!
内容説明
駅ビルが竣工し、ますます便利になる新小岩。商店街の路地裏に佇む居酒屋・米屋には今夜も訳ありの客が訪れます。人気女優や絵本作家、掏摸の名人、大学院生、宝石店の女店長、そしてカウンターで眠り込む謎の客まで現れて…。寒い季節、女将の笑顔と温かい手料理をどうぞ召し上がれ!あなたに寄り添う居酒屋物語、第6弾。
著者等紹介
山口恵以子[ヤマグチエイコ]
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業。会社員を経て派遣社員として働きながら松竹シナリオ研究所で学び、2時間ドラマのプロットを多数作成。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務するかたわら、小説の執筆に取り組む。2007年に『邪剣始末』で作家デビューを果たす。13年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
164
あれ、いつものパターンと違うぞという第一話。やっぱり、これだよというお約束のパターンは当然あるんだけど、飽きさせない工夫が随所に見られるね。そして、何人か米屋に何度も行ける強者の現代人がいるようだ(笑)。俺も悩みがあるし心身疲労してるから、秋さんに悩みを聞いてほしいわ。今作の料理、塩昆布のパスタがシンプルイズベストで、すぐにでも試して食べようかな。鯛と春菊のゴマ和えは、絶対に日本酒と合わせて食べてみたい。心が疲れてるのか、全てがウルッと沁みた話ばかりに感じた。2024/12/20
タイ子
88
シリーズ第6弾。時代を超えて不思議な世界に迷い込んだ彷徨える人たちの物語。それが居酒屋・米屋。店の開店前にいつも秋穂がうたた寝しながら見る夢が夢だけにあり得ない話で面白くて好き。今回のスリの名人の話が予想通りに展開して最後のスッキリは気持ちいい。師走~3月までの5話の物語が店内と店外の時間軸の中で展開、相変わらずレンチン料理が美味しそう。細かい所は気にするなと言われるかもしれないが、時空を超えての清算はこれからお札の旧、新がちょっと気になるところ。毎度思うけど、米屋のモツ煮込み一度食してみたい。2025/01/03
Ikutan
67
夢から覚めた秋穂が居酒屋『米屋』の店に立つところから始まり、最後に『とり松』で真相が明されるというお決まりのパターンながら、毎回秋穂の夢が異なるところや後半のやりとりがちょっと違うのがいい。第一話は、ふつうに30年後に客人が訪ねてくるというイレギュラーな展開で、『とり松』のメンバーの反応にちょっと笑っちゃった。一番心に残ったのは、掏摸のお話『討ち入り前の丼』かな。『菜の花よ、もう一度』では伝言板を懐かしく思い出す。そしていつもながら、レンチンで簡単に出来そうなメニューが美味しそうで、試したくなっちゃうね。2025/02/27
BLANCA
54
シリーズ第6弾。東京・新小岩、商店街の路地裏にある居酒屋「米屋」。冒頭の女将・秋穂さんの夢が面白い。ちょっと楽しみにしてます😄 今回はどの話も良かった。「めでたし、めでたし」なのは分かっていても、山口恵以子作品なのでそこは…☺️ 「めでたし」を欲している時もある。秋穂さんの気遣いや、労りの言葉に触れてみたいと思う今日この頃。もちろん、美味しい料理を食べながらビールを🤤 疲れた毎日に、米屋でご常連の皆様と談笑して…と、現代に帰れなくなるな、きっと😅 レンチン料理、アサリ食べたいなぁ…。2025/03/17
Karl Heintz Schneider
42
今回も店を訪れた人に対する女将の優しい声かけが沁みる。でも、そこに居合わせた常連さんのひと言も意外と良かったりする。「年取っていいことなんて何にもないけどつまんないことで悩まなくなったのは得したね。」「そうそう、もうじきお迎えが来ると思えば生きてるだけで儲けもんよ。」還暦を過ぎたこの歳になって一番気になるのは健康。今日一日健康で過ごせたことが一番だと思う。それに比べたらそれ以外のことはオマケみたいなもの。でもそれは、この歳になったからこそわかるんだろうなあ。2025/03/06