出版社内容情報
アイシャは〈香君〉が抱える苦悩を知り、藩王国視察官のマシュウとともにオアレ稲の謎と向き合うことに。だがそれはウマール帝国への謀叛行為だった。そんな中、オアレ稲に虫害が発生してしまう。民を飢えの危機から救うべく、アイシャたちは動き出すのだが……。
植物と昆虫が人々の運命を大きく変えていく、傑作長編第2幕!
内容説明
アイシャは“香君”が抱える苦悩を知り、藩王国視察官のマシュウとともにオアレ稲の謎と向き合うことに。だがそれはウマール帝国への謀叛行為だった。そんな中、オアレ稲に虫害が発生してしまう。民を飢えの危機から救うべく、アイシャたちは動きだすのだが…。植物と昆虫が人々の運命を大きく変えていく、長編傑作第2幕!
著者等紹介
上橋菜穂子[ウエハシナホコ]
1962年東京生まれ。文学博士。川村学園女子大学特任教授。89年『精霊の木』で作家デビュー。野間児童文芸賞、本屋大賞、日本医療小説大賞など数多くの賞に輝き、2014年には国際アンデルセン賞作家賞を受賞。20年、マイケル・L・プリンツ賞オナー、日本文化人類学会賞、23年、吉川英治文庫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
73
②の感想を書こうとして、①の感想を間違えて「香君上」に書いてしまっことに気づきました😓。主食となる穀物を育てることで人々を飢饉から救う、それが国の安定や拡大、支配につながる。そんな農業と政治の間で、アイシャは香使として人々の幸せのためにはたらきます。香りから自然の声を聞き、作物と土、肥料の関わりをつかみます。それはとりもなおさず、作者自身が農業について研究し、科学的な見地と人々の思惑を絡ませながら物語を編んでいったということですね。最後にアイシャの身に起きたことがどう解決に向かうのか。3はまだ未購入…。2024/12/08
あきぽん
41
特殊能力を持つ少女が主人公のファンタジーではあるけれど、農業、生物多様性、権力闘争などの描写は驚くほどリアルだ。食べることは生きること、農業の始まりは文明の始まりで戦争の始まり。今までの作品と同様、周到に取材して現実の写し鏡である世界をがっちりと構築した上橋先生さすが。2024/10/08
みやび
32
展開が早く、人間関係などが複雑になってきていて少し戸惑う部分もあるけれど、この段階でいろんな秘密が明かされてきていて面白さが加速する。そして「え?こんなとこで?」という終わり方。次巻ではいよいよオアレ稲についた害虫オオヨマによる甚大な被害が発生するのか、それともアイシャ達が何とか食い止めるのか…。このまま3巻へ。2024/12/03
毎日が日曜日
22
★★★★2024/11/01
活字スキー
17
【人々がオアレ稲に頼らずに生きられるようにしてしまったら──香君さまは──どうなるのですか】大河ファンタジーというより学習まんがを読んでるような気分になる、起承転結の「承」。香りで万象を知り人々を導くはずの香君の実態を知らされたアイシャは、より危険で困難な道を歩み始めるが……『守り人』のバルサや『鹿の王』のヴァンと違って悪漢にあっさり捕まってしまうし、やっぱりナホコさんロマサガガチ勢なんでしょ?舞台がさらに変わって、3巻ではどんな「転」が見られるのか楽しみだ。2025/02/23