内容説明
ノンフィクション作家の赤尾冬彦が絞殺された。神奈川県警の吉川元哉と、幼馴染でもある鎌倉署の小笠原亜澄のコンビは、赤尾が殺される直前まで取材していた昭和の銀幕スター・関川洋介に目をつける。関川の家族やかつての共演者などの証言から、亜澄は殺人事件の背後に隠された、ある一作の映画の秘密に迫っていくが…。
著者等紹介
鳴神響一[ナルカミキョウイチ]
1962年東京都生まれ。中央大学法学部卒。2014年に『私が愛したサムライの娘』で第6回角川春樹小説賞を受賞しデビューする。同作で15年に第3回野村胡堂文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっしー
23
シリーズ4作目になりました。何だかんだ言いつつ、周囲も認める良いコンビになってきていますね!! 今回のお話は、残念ながら被害者には全く同情出来ず…でした。事件の真相は明らかにして欲しかったけれど、その背景を考えると自業自得と言いますか…。何十年と時が流れても、秘密が明らかにされる可能性があるというのも怖い話です。2025/05/24
み
19
さくさくと♪鎌倉って美味しそうなオシャレなお店があるんですねぇ。お話は、ふ~ん。2024/07/19
マカ
13
シリーズ第4弾。前作に引き続きなんとも言えないやるせなさ。人の秘密を暴こうとする者と、守ってやろうとする者。相成れない両者の間で諍いが起こるのは必然か。まぁ、人の秘密を暴いて金を稼ごうとするやつなんて、碌な人間じゃないから自業自得とも言えるんだけどね。心情的には当然の報いとも思う。それにしても亜澄と元哉、益々いいコンビになってきたね。元哉は若干イヤそうにしてるけど、亜澄がなんとも思ってないような感じが面白い。2024/09/23
RN
10
サブタイトルの「竹寺の雪」は架空の映画の名前。 殺害された被害者はノンフィクション作家で、往年の映画スターの伝記を執筆中だった。 鎌倉署の小笠原亜澄はペアの吉川元哉とともに映画スターの秘められた過去を紐解き、殺人の動機を探り出していくストーリー。 茅ヶ崎の旅館に関する実在の映画監督のエピソードは、「ほほぅ」と唸ってしまったし、他にも平塚、鎌倉、横浜市金沢区などは具体的な地名や店名が出てくるので、地元民は必読。2024/10/23
かんがるー
10
シリーズ第四弾 何となく掴めそうで掴めきれない、霧がかかったようなまま終盤へ。実在する古き良き時代の往年のスターや映画がたくさん出てきて、その時代の銀幕のスターなら凄いなと背景を想像しながら読んだ。当時の関係者全ての人に奥ゆかしさがあって成り立っていたことが丁寧に描かれていてシリーズで一番好き。2024/06/30