内容説明
高齢化が進む都心の団地で介護施設経営者が殺害された。事件を担当することになった警視庁の仲村は捜査の過程で、二人の幼馴染と再会。事件の直前に被害者と揉めていた美人投資家、不正請求に手を染めた男。重要参考人となった友を救うため、刑事が奔走する。コロナ後の介護業界の闇を描く社会派ミステリー。
著者等紹介
相場英雄[アイバヒデオ]
1967年新潟県生まれ。89年時事通信社に入社。2005年に『デフォルト 債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。13年に『血の轍』で第26回山本周五郎賞候補、第16回大藪春彦賞候補、16年に『ガラパゴス』で第29回山本周五郎賞候補、17年に『不発弾』で第30回山本周五郎賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タルシル📖ヨムノスキー
20
社会派作家の相場英雄さんが切る高齢者介護問題。主軸は介護施設オーナーの転落死事件。それに絡む40年前の子供達に起きたある出来事。高度経済成長期に誕生したニュータウンという名のいわゆる団地という生活形態。その当時最先端の暮らしを夢見た人たちは高齢化し…。「マンモスの抜け殻」とは、実に上手い例えだと思います。主要登場人物のひとり、投資家の環が想像した新しい介護の世界は、認知症の高齢者というよりはいわゆる介護予備軍の高齢者を想定しているようでなんだかリアリティに欠ける気もするけれど、深刻な問題なのは間違いない。2024/04/26
ひろちゃん
10
介護系YouTuberさんがオススメしていたので、昔の介護業界分からないけど、あとがきで不快になったなあ2024/04/28
おくしょー
7
大好きな相場さん。 高齢化が進んだ都心のマンモス団地で介護施設経営者が殺害された。事件を捜査するのはかつてこの団地で暮らしていた仲村。そして重要参考人に浮かび上がったのは、美人投資家の環と、ヤクザ上がりの施設長に逆らえず不正請求に手を染めた介護職員の尚人。2人は仲村の幼馴染だった… 高齢化社会、格差社会…今回も考えさせられた。 日本の未来はどうなるんだろう?環の案は実用化されないのかな?高齢者の自律、とても大切だと思う。 被害者がクズ過ぎて、犯人や周りの人々に同情してしまった(^_^;)2024/04/23
ぷにこ
1
高齢化したマンモス団地で殺人事件。団地で育った三人が再会する。 今の世相を反映して日本の未来を憂えるところから、希望を見いだす最後になってよかった。2024/04/17