出版社内容情報
貧しい百姓の末っ子として生まれた捨松は、故郷の下野を飛び出し一人江戸へ上る。十数年後、捨松は商売で成功するものの、兄との再会を機に「大切なもの」を失ったことに気づく――。表題作「あんちゃん」のほか、夫婦のすれ違いや恩師への慕情など、市井の人々の心の機微を直木賞作家が丹念に描く。ほろ苦くも優しい短篇集。
内容説明
貧しい百姓の末っ子として生まれた捨松は、故郷の下野を飛び出し一人江戸へ上る。十数年後、捨松は商売で成功するものの、兄との再会を機に「大切なもの」を失ったことに気づく―。表題作「あんちゃん」のほか、夫婦のすれ違いや恩師への慕情など、市井の人々の心の機微を直木賞作家が丹念に描く。ほろ苦くも優しい短編集。
著者等紹介
北原亞以子[キタハラアイコ]
東京都出身。コピーライターなどを経て、昭和44年「ママは知らなかったのよ」で第1回新潮新人賞を受賞し作家としてデビュー。平成元年『深川澪通り木戸番小屋』で第17回泉鏡花文学賞、5年『恋忘れ草』で第109回直木賞、9年『江戸風狂伝』で第36回女流文学賞、17年『夜の明けるまで』で第39回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。25年3月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mariko
1
北原亞以子氏の短編集。 「帰り花」夫を亡くし小さな娘と暮らすおりょう。貧しい子供の頃の指南所のお師匠さん、荘七郎を思い出す。「冬隣」病弱に産んだ娘にかかりきりになり夫の気持ちが離れていく。「風鈴の鳴りやむ時」おしん、国松の間にお蓮が、お蓮に騙られ借金のかたに遊女になる。「草青む」妾のおつや、旦那が死ぬ前に番頭の幸次郎に後を託されて。「いつのまにか」所帯を持ったお俊の家に弟が、可愛かった弟も夫婦の生活に割り込んでくる。「楓日記」「あんちゃん」貧しい村を出て江戸で店を出した弟に兄が会い来る。2024/07/06
アニータ
0
色々な思いが交錯している短編集。2024/08/31