出版社内容情報
猿との大戦後、正式に即位した金烏・奈月彦。山内の存続のため、大貴族四家に協力を請いつつ、娘の紫苑の宮を自らの跡継ぎとするべく動き始める。下界への留学を控えた雪哉は
、美しい夜桜の下で紫苑の宮としばしの別れを惜しむのだった。滅びゆく山内の、新しい時代が始まろうとしていた――外界で忙しい日々を送る雪哉にある日、信じがたい一報が。
『楽園の烏』に至る20年間になにがあったのか?戦慄の真実がいま明かされる。
シリーズ最大の衝撃作!
内容説明
人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」。猿との大戦後に正式に即位した金烏・奈月彦は、大貴族四家の負担を増やし、娘の紫苑の宮を跡継ぎとすべく動いていた。外界に留学中の雪哉はその日、信じがたい一報を受け取る―『楽園の烏』に至る20年間に何があったのか?シリーズ最大の衝撃作。
著者等紹介
阿部智里[アベチサト]
1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、20歳という史上最年少の若さで松本清張賞を受賞。デビュー作『烏に単は似合わない』は八咫烏の世界を舞台に緻密な世界設定を行い、微妙な心理描写や意外な結末をはらんだストーリーも高い評価を受けた。13年続篇の『烏は主を選ばない』、各小説誌に短篇も発表。14年早稲田大学大学院文学研究科に進学、17年修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
58
文庫新刊。八咫烏シリーズの中でも随一?の鬱展開巻だと思いますが(涙)、文庫再読を経ても印象変わらず…読み終わってからこの表紙見るのつらすぎるよ名司生さん〜!(いやもちろん名司生さんアイデアじゃないのかもしれないけど…)別名・雪哉奈落に堕ちるの巻、とか雪斎誕生の秘密、とか色々サブタイトルが過る。早く烏の緑羽も再読したいし、ドキドキしながら望月の烏も読み進めようと思います。希望がありますように…!2024/02/23
よっち
43
若き日に誓った忠誠、悲しきその行方…。猿との大戦の後に、山内で一体何が起こっていたのか。前作で描かれなかった山内のその後が明らかになってゆく新章第2弾。大戦後正式に金鳥として即位し、山内の存続のため、大貴族四家に協力を請いつつ、娘の紫苑の宮を跡継ぎとするべく動き始めた奈月彦。留学を前に紫苑の宮としばしの別れを惜しみ、下界で様々なことを学んでいた雪哉が直面する信じがたい一報。盤面をひっくり返すような事態でしたけど、四家と危機的状況が共有される状況で、雪哉の思い切った決断が今後にどう繋がるのか気になりますね。2024/02/06
毎日が日曜日
22
★★★★ 雪哉から雪斎になる物語。きついな。2024/02/29
sleep@芒羊會
16
これは、前巻を見返せねば。思わずそう思ってしまった衝撃的な展開。紫の御前は前から好きじゃなかったけど、弟の融は彼女をどう思っていたのかな?長束や奈月彦の父(前金烏代)のことはもともと好きじゃなかったけど、そうかぁ。ともかく、ますほの薄と澄尾がくっついて良かった。私にとってはそれだけだったり。2024/04/14
masa
16
すっかり油断していた。決定的な見落とし、意識の外にいた者たちによる企てと本能。おまっ…またおまえっ!と。よくよく考えてみれば、そうだった…いつでも歴史は繰り返す。金烏、浜木綿の子と雪哉の関わり、澄尾と真赭の薄、その後に救いを見た気がしたのに。馴染みのある者たちが、また…。真意は?真は?何処へ向かっている?それぞれの想いは何処にあるのか。次々と明らかにされるのは、いつも心が引き裂かれるような出来事ばかり。まだ何処かに信じたい気持ちを捨てきれない。破滅に向かうしかないのか?絶対見届ける!何度も立ち還りながら。2024/04/08