内容説明
日本人移民の子として極東ロシアに生まれ、日露戦争での日本の敗北を少年時代に迎えた小條登志矢。ロシア帝国で念願の鉄道技師となるも、世界大戦では帝国軍に徴兵され、復員後は革命の嵐が吹き荒れていた…。数奇な運命に翻弄されながらも、ロシアの工作員となる半生を圧巻のスケールで描く、歴史改変冒険譚!
著者等紹介
佐々木譲[ササキジョウ]
1950(昭和25)年、北海道生まれ。広告代理店、自動車メーカー勤務を経て、79年に『鉄騎兵、跳んだ』でオール讀物新人賞受賞。90年、『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。2002年、『武揚伝』で新田次郎文学賞を受賞。10年には『廃墟に乞う』で直木三十五賞を受賞。また、17年に日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てつ
35
歴史改変小説であることを忘れていると混乱する。明治時代のロシアへの入植というところから始まるので、坂の上の雲あたりを想像するとワケわからなくなる。とはいえ戦闘シーンはリアルで主人公はカッコいい。読みごたえありですね。2024/01/08
汲平
7
最初の「入植地の裁き」は安物の西部劇のようで、これじゃない感が強い。だが読み進むうちにロシアと日本の戦争でロシアが勝ったという記述があって「??」となりパラレルワールドものと知る。章が進むにつれ歴史の厚みが増し読み応えが十分となる。戦争や権力争いの愚かさを活写して隙がない。2024/03/24
のりさん
4
わざわざ歴史改変設定にした意図が正直良くわからなかった。2024/04/19
うめうめ
3
架空ものの小説はよく読むけど、その多くは太平洋戦争。 今回は大津事件からシベリア入植、日露戦争敗北から一次大戦、それを経験する入植二世の主人公の物語。 バタフライエフェクトとしての歴史を丁寧に描かれているし、それをほぼ50年分を予測するのが作者の力量を感じる。2024/02/23
Kimi
2
どこまでが史実かわからなくなるぐらいありそうなストーリーだった。2024/04/04