内容説明
「吉祥天女の再来」と男どもに騒がれる船宿の女将の凄惨な過去とは(「深く忍恋」)。怪談画の注文を受けた絵師の前に現れた童女の正現は(「さらやしき」)。そして心中未遂で有名になった遊女・梅川に憧れる端女郎の珍道中を描く「梅川忠兵衛」など、切なく、哀れで、とても愛しい、浮世絵から生まれた傑作七篇。
著者等紹介
諸田玲子[モロタレイコ]
静岡県生れ。上智大学文学部英文科卒業。外資系企業勤務を経て、翻訳、作家活動に入る。1996年『眩惑』でデビュー。2003年『其の一日』で第24回吉川英治文学新人賞、07年『奸婦にあらず』で第26回新田次郎文学賞、12年『四十八人目の忠臣』で第1回歴史時代作家クラブ賞作品賞、18年『今ひとたびの、和泉式部』で第10回親鸞賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんぶん
23
【図書館】浮世絵を題材に女の恋をしっとり、または滑稽に描く異色作。 細やかな気配り、それでいて大胆、諸田玲子の筆を縦横無尽に操った傑作。 「あくじゃれ」等、現代を思わせる作風だが、ちょいとひねりを利かせた女心を淑やかに書き綴った作品。 諸田玲子も、こんなしっとり感を出せるようになったのかと、しみじみ思う。2023/12/09
MIKETOM
10
七編全てが実在の浮世絵から題材を取っている。北斎『百物語 さらやしき』春信『縁先物語』歌麿『深く忍恋』等々。恋愛もの三編。ハッピーエンドもあれば悲恋もある。いいとこの娘が貧乏田舎侍の人柄に惹かれる。しかし周囲が…。この手の話、俺は好きなんだよね。他に、歌舞伎大好きな男の話。番町皿屋敷をモチーフにした怪談物。ぼんくら亭主だと思ってたけど、女房のピンチの時には大活躍してちょっと見直す話。一応真面目な話の中で、最終話だけ思い切りギャグユーモア系で笑った。なんなん?この女(笑)2025/09/22
takao
1
ふむ2024/09/11
あきのぶ
1
短編集2023/11/19