内容説明
ロシア外相来日のため随行員の行確を命じられた警視庁公安部外事一課の倉島。そんな中ベトナム人殺害事件が起き、ロシア人音楽家が容疑者になる。その捜査に乗り出した同僚は突如行方不明となり、なぜか外事二課の中国担当者も事件を調べている事が判明し…。各国の思惑が交差する中、国家を守るため、公安のエースが挑む!
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年、北海道生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。大学在学中の78年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞し、作家デビュー。レコード会社勤務を経て、81年より執筆に専念。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年、『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞をダブル受賞する。また、「隠蔽捜査」シリーズで17年に吉川英治文庫賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
120
前半、これほどやる気のない倉島は見たくなかった。スランプか?万能鑑定士Qにもスランプはあったし、長い人生そういうこともあるのだろうか。エンジンがかかり始めるころには組織からも信頼を失って孤軍奮闘となる。とはいえ、そこはエンタメの今野さん。勢いのついた倉島はまた無双してくれます。ロシア、中国、ヴェトナム三つ巴のスパイ戦。推理ものではないので、犯人は登場させ方からすぐにピンとくるに違いない。2024/06/26
KAZOO
106
公安外事に所属する主人公のシリーズもの最新作です。ベトナム人殺害事件やロシア外相訪日などがからんでの話で捜査1課や公安が乗り出します。主人公はややなれというか今までの実績などで気持ちが緩んだのか、上司などに疎まれます。最後はうまく解決しますが、人間関係なども取り入れてそちらが今回は重点になっているのかという気がしました。2023/11/21
stobe1904
26
【警視庁公安部外事課シリーズ】ベトナム人殺害の容疑者としてミュージシャンのロシア人が関与しているのではないかと公安メンバーから懸念が上がっていたが、ゼロ帰りで実績を上げつつある倉島は慢心故か取り合わなかったが…。一時的に組織からの信頼を失った倉島だが、自らを見つめ直し、刑事、公安の軋轢を乗り越え、一体となって作業に注力していく姿が心地よい。ただ、初期の作品に登場したヴィクトルのような強力だが、魅力的な敵がいないと少し物足りない。★★★★☆2024/07/28
Y.yamabuki
23
シリーズ初読み。中盤近くまで、倉島のだめっぷりに本当に公安のエースなの?前作では活躍したの?と疑いが…その後本人が自分の慢心に気付き各部署取り纏め解決へと導く。警察の組織、公安の仕事が垣間見られて面白かった。公安内の部署毎でこんな駆引きが有るとは。彼のように猪突猛進型ではない人物は好み。今作以前のシリーズが気になる。 2024/01/23
一笑
20
ゼロの研修を経験し公安のエースとなった倉島刑事、ちょっと慢心気味だったけれど同僚の白脇や公機隊の片桐らに影響されて少しずつ本来の自分を取り戻していく。事件はベトナム人が殺されその近くの防犯カメラにロシア人が映っていたというもの。ベトナムやロシア、そこに中国が絡んできて事件はなかなか複雑になってくる。こういった公安物を読んでいつも思うことだけれど、ここに書かれていることが日常的に行われているとしたら、日本人は平和ボケしていると言われてもそれを否定する理由を探すのはなかなか難しいだろう。久々の一気読みでした。2024/12/10
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- 和書
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