内容説明
22歳のときに交通事故で重傷を負い、脳死が危ぶまれながらも回復した相馬克己。病院で「奇跡の人」と呼ばれた彼はしかし、事故以前の記憶を全て失っていた。8年間ものリハビリを経て退院した克己は、母の遺したノートをもとに消えた過去を探す旅へと出る。そこで彼を待ち受けていたのは残酷な事実だった…。
著者等紹介
真保裕一[シンポユウイチ]
1961年東京都生まれ。アニメーション制作に携わった後、91年『連鎖』で第37回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。96年『ホワイトアウト』で第17回吉川英治文学新人賞、97年『奪取』で第10回山本周五郎賞、第50回日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で第25回新田次郎文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
40
事故で記憶を無くしてしまった克己。脳死が危ぶまれていたが回復し「奇跡の人」と言われている。克己はどうしても事故の前の自分を知りたくなり、宮崎から東京へ。途中何度も、今のままでいいじゃない、過去の自分を知らなくてもと思うが物語はどんどん過去へ。自分勝手な主人公に寄り添えなくなりそうだったが最後まで読まずにはいられなかった。2023/11/15
達ちゃん
19
奇跡の人の執念、なかなかの読み応えでした。知りたいという気持ちはわかるけど、あまりのすごさに圧倒されました。しかし、ラストはちょっと切ない・・・。2024/05/24
練りようかん
10
脳死をまぬがれ奇跡的に回復した主人公。母の看護日記と現在を織り交ぜながら展開するのだが、些細な気懸かりから過去を探り本能が覚醒する主人公の変わりようと、母目線の成長がリンクして前者は恐怖後者は不安をとても感じ、心理サスペンスを読んでる感覚だった。はじめは主人公を闇に突き落とす真実を想像したが、逆だと思う頃にはすっかり没入。特に『坊っちゃん』の使い方が上手い。新生活に馴染もうとする時は読み進められず、新生活をほっぽりだすとぐんぐん読むのだ。とても示唆的で頭を抱え、わかっていたけど飲み下せない結末だった。2024/10/09
ますみ
9
★4★2023/11/25
かずぺん
3
壮絶な人間ドラマです。本人も周りの人達もすべての人間性をむき出しに戦っています。何が正しくて何が間違っているかとかは問題になりません。最後はホッとした感じです。2023/11/03
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