出版社内容情報
就活に失敗し、オンラインゲーム三昧の「俺」。親に愛想を尽かされた末に送り込まれたのは、離島の薄汚れた建物だった。考えた末、下宿代目当てでニートたちを募って“共同生活”を送ることに。新しい仲間や穏やかな島民、猫たちと交流する中で、閉じた世界が少しずつ広がっていき……。日常ミステリの名手が贈る、爽やかな読み味の傑作長編。(解説・池澤春菜)
内容説明
就活に失敗しオンラインゲーム三昧の「俺」。親に愛想を尽かされ、送り込まれたのは離島の薄汚れた建物だった。考えた末、下宿代目当てでニートたちを募って“共同生活”を送ることに。新しい仲間や穏やかな島民と交流する中で、閉じた世界が少しずつ広がっていき…。日常ミステリの名手が贈る、爽やかな読み味の傑作長編。
著者等紹介
加納朋子[カノウトモコ]
昭和41(1966)年、福岡県北九州市生まれ。文教大学女子短期大学部卒業後、化学メーカーに勤務。平成4年、「ななつのこ」で第3回鮎川哲也賞受賞。平成6年発表の短編「ガラスの麒麟」で、第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)受賞。平成7年に退社して作家専業となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kanonlicht
50
引きこもりニートのアラサー男が叔父から相続した離島に建つ合宿施設に移住。突如始まった離島生活に途方に暮れつつも、オンラインゲーム仲間やわずかな島民たちと協力しながら自立をめざす物語。最初はまったく共感できない主人公にイライラさせられるけれど、それぞれ別の理由で社会からドロップアウトした仲間たちが、つたないながらも一歩ずつ社会性を身につけていく様子はほほえましい。オンラインゲームの匿名性が伏線になっているところも面白かった。2025/04/08
優希
47
面白かったです。引きこもりでニートでオンライン三昧の「俺」。ニートたちとの交流が生き生きとしていて爽やかでした。仲間との関わりが閉じられた世界から開かれた世界へと導かれるのに惹かれます。今の時代ならではの物語だと思いました。2024/06/21
カブ
41
就活に失敗、オンラインゲームに逃げ込んだ「俺」。親に島流しにされニートたちを募って共同生活が始まることに。個性溢れる4人のニートたちが変わって行くのが面白く、島のお年寄りとの交流もホッコリしていてよかった。2023/08/30
mayu
31
就活に失敗し、引きこもってオンラインゲームをしている日々を送っていた主人公。親に見切りをつけられて強制的に離島での生活を余儀なくされる。年老いた老人が数人しかいない離島で手探りながらも、それぞれの事情でニートとなってしまった仲間を増やして共に暮らし始める。島の人やオンラインの仲間の優しさに心が温かくなる。島に来た当初は頼りなかった姿が、皆の役に立ちたいと変わっていく姿がとても良かった。もう一人の自分になれる場所に救われている人は少なくないのかもしれないと感じた読後感の良い一冊。2023/08/04
Y.yamabuki
24
斬新なストーリー。ゲーム三昧の引きこもりの青年が、島に移り住む、と聞くと地元のお年寄りに教わりながら、野菜育てたりお魚取ったりと自然に囲まれて、、、と想像してしまう。その通りなのだけれど、彼等はゲームから離れたりはしない。寧ろゲームで繋がっていく。今時のゲームってこんなに進化しているんだ、コミュニケーションのツールにもなるんだと驚いた。小説の中で、自分の知らない世界を体験できるのと似ている。自分でストーリーも作れるので、それ以上かもしれない。彼等を見ていると自分のやり方で自立すればいいんだと思えた。 2024/01/19
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- 和書
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