内容説明
2014年3月3日夜、作家・阿部和重の東京の自宅に瀕死の男が転がり込む。その男ラリーの正体はCIAケースオフィサー。神町の菖蒲家を内偵していたが組織内での裏切りにあい、助力を求めてきたのだ。世界を破滅させる核テロの陰謀を阻止すべく、ラリーと幼い息子を連れた作家は新都・神町へと向かう。破格のロードノベル!
著者等紹介
阿部和重[アベカズシゲ]
1968年生まれ。山形県出身。94年「アメリカの夜」で第37回群像新人文学賞を受賞し、デビュー。99年『無情の世界』で第21回野間文芸新人賞、2004年『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞・第58回毎日出版文化賞をダブル受賞、05年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞、10年『ピストルズ』で第46回谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イシザル
11
ファイナルシーズンに、ふさわしい急激な展開。 異化な文章と、作家本人今や売れっ子作家の妻が、出てくるがちょっとズレてるのが、大江健三郎を連想する。 とうとう、このシリーズの元凶たるドス黒い「悪」は、正体を現すのか?2023/04/15
jolly
3
ただでさえ長いのに上巻だからか背景説明が多くてなかなか進まない。下巻でストーリーが流れることに期待。2023/05/07
イコ
2
神町トリロジー完結編。コミカルな語り口で読んでいて面白い感じになるのが阿部和重って感じなのだが、序盤で衝撃与えといてそこから話遡るから失速、登場人物の阿部和重が興を削ぐので読み進まない、ジャンル違うけど暗黒の塔でスティーブン・キングが出てきたときはあんなにワクワクしたのだが、メタな作家の登場が上巻までだと面白くなりそうな話を邪魔してる。現実とはちょっと違う世界観が胡散臭くて面白くはあるので下巻で上手く着地してほしい。2023/08/21
カエル子
2
『ピストルズ』読了からまだ半年くらいなので、「愛の力」とか辛うじて思い出せるレベル。『シンセミア』は記憶の彼方だが、そうだ「阿部和重」が登場してたよ思い出した。神町三部作のラストらしいので色々伏線回収していくんだよな。伏線覚えてない場合はどうすれば良いんだっけ?とか思いつつ、「阿部和重」がふつうに面白おかしくアメリカ人と3歳児に翻弄される日々を語ってくれるので意外にもスイスイと読めてしまっている。だれが悪者なのか、ぜんぜん読めないままに下巻へ。2023/07/18
ボウフラ
1
神町サーガ完結編。今作はコミカルなサスペンスに仕上がっている。下巻へ2024/01/12