出版社内容情報
一丁の拳銃が人々の人生を変えていく!
名手が描く練達の連作短編集。
私は拳銃を構える。恐怖にひきつった顔を思い描くだけで、胸のもやもやが晴れていく――。久しぶりの同窓会で六本木から新宿・歌舞伎町に流れてきたものの、泥酔して友人たちとはぐれた主婦・織江。家出少女から一万円と引き換えに渡された包みの中身は一丁の拳銃だった!
主婦も家出少女も、カラスに悩まされる新入社員や妻に逃げられた元警察官も――平凡な日常に倦んだ人々を魅了し狂わせるコルトの魔力とは?
内容説明
久しぶりの同窓会で六本木から新宿に流れてきたものの、泥酔して友人たちとはぐれた主婦・織江。歌舞伎町で家出少女から一万円と引き換えに渡された包みの中身は一丁の拳銃だった!主婦も家出少女も、カラスに悩まされる新入社員や妻に逃げられた元警察官も―平凡な日常に倦んだ人々を魅了し狂わせるコルトの魔力とは?
著者等紹介
乃南アサ[ノナミアサ]
1960年東京生まれ。早稲田大学社会科学部中退後、広告代理店勤務。88年「幸福な朝食」が第1回日本推理サスペンス大賞で優秀作に選ばれ作家デビュー。96年「凍える牙」で第115回直木賞、2011年「地のはてから」で第6回中央公論文芸賞、16年「水曜日の凱歌」で第66回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
136
1丁の拳銃が人の手から手へ渡る。ごく普通の一般人が思いもよらず拳銃を手に入れてしまったとしたら。その顛末を描いた連作短編集。①ある主婦②女子高生③サラリーマン④引退した警察官⑤フリーアナウンサー、をそれぞれ主役に据えた5話。①から順に時系列を遡る構成になっている。いくらでも面白くなりそうなお膳立ては揃っているのだが、意外とつまらないんだな、これが。折角の拳銃の見せ場が殆んど無くて。拳銃ですよ。本物ですよ。なのに存在感が薄いというか、別に拳銃、要らなくね?な話が殆んどで。もうちょっと何とかならなかったかな。2024/11/14
坂城 弥生
43
平凡な日常に拳銃が紛れ込んだら…派手さは無いけど面白かった。2023/01/26
カブ
39
一丁の拳銃、コルトの織り成す5つのお話。持っているというだけで、心が大きくなったり、余裕が持てたり。早く手放した方がいいのにと、ドキドキしながら読んだ。2023/01/31
くろにゃんこ
38
まさかの拳銃短編でした。ひょんなことから手にしてしまう主婦、娘、会社員、おじさん、女性・・・。ベランダに現れるカラスを撃退しようと手に入れるなんとてツッコミどころもありありです。試しに撃ってみるなんて度胸あるよなぁ。気になるのは主婦がその後どうしたのか?ですね。2023/05/23
reo
33
久しぶりの同窓会で、足腰も立たないほど酔っぱらって普通の主婦が道端で寝っ転がっておったそうな。んで家出少女に一万円くれてやったらお礼にコルト・ポケットという拳銃を貰った。この主婦、その拳銃を撃ってみたいという誘惑に勝てず、毛布など重ね試射をする。それで小1の娘が学校で虐めに遭ったことを訊きつけると娘に「じゃあ、その虐めた子に、うちのお母さんが『ただじゃおかない』って言ってるって」えらく気が大きくなってしまう😁この「母の秘密」ほか四編からなる連作短編集。奇をてらわない安定した面白さで好感がもてます😄2023/08/20