出版社内容情報
20代の女性社長・北条紫苑が率いる「北条葬儀社」。妙な関西弁を喋る餡子、寡黙で職人肌の高屋敷、生真面目すぎる新入社員の新実……癖の強い社員が目立つが、遺族からは「あの葬儀社は素晴らしい」と抜群の評価を得ている。なんと、彼らには故人が遺した“謎”を解明する意外な一面があったのだ。奇妙な遺言を残した父親、火葬を頑なに拒否する遺族、霊安室から忽然と消えた息子――。謎に充ちた葬儀の果てに、衝撃の結末が待ち受けるミステリー連作短編集。文春文庫化にあたり全面改稿。
内容説明
20代の女性社長が率いる「北条葬儀社」。癖の強い社員ばかりだが、遺族からは抜群の評価を得ている。なんと、彼らには故人が遺した“謎”を解明する意外な一面があったのだ。奇妙な遺言を残した父親、火葬を頑なに拒否する遺族、霊安室から忽然と消えた息子―。謎に充ちた葬儀の果てに衝撃の結末が待ち受けるミステリー連作短編集。日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞Wノミネート作。
著者等紹介
天祢涼[アマネリョウ]
1978年生まれ。『キョウカンカク』で第43回メフィスト賞を受賞し、2010年にデビュー。13年『葬式組曲』が第13回本格ミステリ大賞の候補作に。同書に収録されている「父の葬式」は第66回日本推理作家協会賞(短編部門)の候補作にも選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sayuri
68
北条葬儀社を舞台にした五話収録の連作短編集。癖の強い社員達が、故人が遺した謎を解明していくミステリー。一話完結ごとに真相が明らかになりスッキリとした気持ちで読み進めていくと最終話で衝撃的な展開が待ち受ける。社員の不審死?犯人は誰?それまで見ていた景色は一変。社員達の印象はガラリと覆され何の疑いも持っていなかった自分の甘さに気付かされる。二転三転からの犯人の正体判明。そして犯行の理由に驚愕。葬儀の在り方なんぞを考えながら読んでいたらとんでもなかった。『ざらり』とした結末だが、これぞ大どんでん返し。やられた。2023/02/17
がらくたどん
63
少年犯罪の真実を「想像力」で読み解くシリーズの主人公仲田蛍が魅力的だったので単発作品も読んでみたくて。10年前の本格ミステリ大賞候補作を文庫化を経ての加筆修正再文庫化作。20代の社長が率いる「北条葬儀社」の社員は万能関西キャラおじさん・寡黙なカツラ疑惑職人・案外苦労人現代っ子新人と少数精鋭個性的。次男を喪主に・火葬NG・葬儀をやり直したい。日々持ち込まれる「クセツヨ」葬儀を時に衝突しつつチームワークで乗り切っていく。若社長の志、新人君の成長。ああ爽快なお仕事小説♪からの「ざらり」で、おっとそう来るか~怖!2024/03/17
カブ
47
北条葬儀社を舞台に、個性的な社員たちが一癖ある葬儀を仕切っていく、連作短編集。物語ひとつひとつが面白く、テンポよく読める。シリーズになったらいいなぁと思っていたら、想像を超えた結末でびっくり。2022/11/24
坂城 弥生
44
色んなタイプのお葬式に関わる葬儀屋さんの連作短編集。2023/05/24
よっち
44
20代の女性社長・北条紫苑が率いる「北条葬儀社」。彼らが引き受ける謎に充ちた葬儀の果てに、意外な結末が待ち受ける連作短編ミステリ。妙な関西弁を喋る餡子、寡黙で職人肌の高屋敷、生真面目すぎる新入社員の新実…癖の強い社員たちが執り行う不可解な遺言を残した父親、火葬を頑なに拒否する遺族、霊安室から忽然と消えた息子といった奇妙な葬儀の数々。遺族からは最終的に感謝される葬儀のエピソードは良かったですけど、背景にはまさかの驚愕の事態が隠されていて、それまでの印象がガラリと変わってしまう結末にはびっくりさせられました。2022/11/30