出版社内容情報
宮本 紀子[ミヤモト ノリコ]
著・文・その他
内容説明
訳あって離縁したお雅が営む「旭屋」。夕餉の献立に困ったおかみさんたちの間で、持ち帰りのお菜をたっぷり揃えた見世は評判を集めている。気難しい差配や常連客の色恋、そして元亭主や母親との関係に悩まされながらも、お雅は旬なお菜を拵え、「旭屋」を逞しく切り盛りする。江戸をめぐる四季と人間模様を丁寧に描いた、心温まる時代小説。
著者等紹介
宮本紀子[ミヤモトノリコ]
京都府生まれ。2012年、「雨宿り」で第6回小説宝石新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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真理そら
63
王子の料理屋の娘・お雅は酒問屋に嫁いだが釈然としない理由で離縁された。お雅を可愛がっていた舅・久兵衛の世話で京橋南・水谷町で煮売り屋を開くことになった。近所の長屋のかみさんたちや差配さん、煮え切らない元亭主やら後妻、王子の実母やらが登場してお雅は人間関係にもやもやしながらも好きな総菜を作って売っている。シリーズ物の立ち上がりという雰囲気の作品だけれど宮本作品らしいほんわかした雰囲気が少ない。2022/10/09
ぶんこ
44
王子の料理茶屋の娘お雅は、酒問屋の若旦那新蔵にみそめられ結婚。しかし芸者さんとの間に子ができ家を追い出され、舅久兵衛の助けで京橋にお惣菜屋を営む。「おかずは自分で作れ」とお店の前で来る客に文句を言う差配に困ったり、元夫の新蔵がよりを戻しに来たりと落ち着かない。早朝から住み込みのお手伝いお妙と仕込みに余念がないが、お正月に訪ねてきた実母から、料理に口出しされる。料理茶屋と煮売屋では違うと反論するも、鰹節の扱いの差を知って反省する。色々と事有りではあるが、つつがなく商いを続けているのは立派。2024/03/25
のんちゃん
43
江戸で煮売屋(惣菜屋)を営むお雅は26歳、訳あって離縁後店を始めた。このお雅の周りの人々と美味しい江戸惣菜の話。他の江戸市井の人々を描く時代小説に時々登場する煮売屋。江戸の居酒屋が舞台の小説は数多あれど、煮売屋を舞台にした作品は初めて読んだ。常日頃、どなたかが煮売屋のお話を書いてくれないかなと、食いしん坊の私は思っていたところ、大好きな丸藤姉妹シリーズの作者宮本先生のこの作品を見つけた❣️これは一も二もなく読まなくてはと手に取った。当たり❣️シリーズ化されそうな予感。また丸藤姉妹シリーズの様に楽しみだ。2022/10/30
fuku3
34
2022.11.19読了。酒問屋に嫁いだお雅だが離縁され煮売屋「旭屋」を開いた!江戸の市井の姿を描いた5連作短篇!初巻と云う事もあってか全体的に薄味で余り深みが感じかれなかった!登場人物の紹介が重で今後に展開に期待!兎に角みんながいい人、真の悪人が出て来ないので読んでいても心が和む!元旦那が現れ寄りを戻そうとお雅にチョカイを出しそこに嫁が子供を背負い登場!里の母親が正月にお雅に突然会いにきた!料理屋の大女将としてはついつい手も出し口も出してしまい娘に疎まれ喧嘩になり独り落ち込む!親としては仕方ない!2022/11/19
紗世
24
時代小説。夫の不儀が原因で離縁、詫びも込めて舅が煮売屋をもたせてくれた話。1冊に、お客さん・新キャラ・元夫・母と、様々なエピソードが詰め込まれていて、ぎゅっとしすぎてもったいない!と思ってしまった。食べ物屋さんのお話なのでそれなりに面白く、正直、目新しさもなかったけど、文章も読みやすくて、あっという間に読み終わりました。2024/03/23
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