出版社内容情報
佐伯 泰英[サエキ ヤスヒデ]
著・文・その他
内容説明
安芸広島城下で空也は、自らを狙う武者修行者、佐伯彦次郎の存在を知る。武者修行の最後の地を高野山の麓、内八葉外八葉の姥捨の郷と定め、彦次郎との無用な戦いを避けながら旅を続ける空也。京都愛宕山の修験道で修行の日々を送る中、彦次郎は空也を追い、修行の最後を見届けるため霧子、眉月が江戸から姥捨の郷に入った。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
93
いよいよ佳境に入ってきました。広島城下で剣道場を訪ねてそこでけいこをしているうちに自分を相手と探しているその道場の関係者が明確になってきます。そこから姫路、京都へと行き、自分の修業の最終の地を姥捨の郷としてそれを江戸に知らせてそこで主人公の関係者に待ってもらうように連絡します。京都の滝の修行場での名もない人物が今回の相手となります。あと2作が楽しみです。2022/09/09
やま
65
直心影流、坂崎空也の武者修行の物語です。空也20才は、江戸は神保小路で直心影流尚武館道場十代目道場主である坂崎磐音の嫡男です。四年前に父の故郷豊後関前から薩摩へ武者修行に出て何度か死にかけながら武者修行を続けてきました。九州での武者修行を終えて、紀州高野山の麓にある姥捨(うばすて)の郷で姉、重富霧子に会うために「内八葉外八葉」へ向かいます。途中、芸州広島藩浅野家で間宮一刀流道場、姫路で辻無外流鍾木道場で修業に励みます。2023/05/02
yamatoshiuruhashi
51
空也十番勝負、八番目。磐音シリーズに続いて60巻以上も読んでくるとマンネリの美かもしれないと思う。空也、武者修行を終わりに近づける決心をするものの、新たな悶着に巻き込まれる。そしてその終わり近きことは、江戸の磐音の下へも届き、修行の終わりを迎える準備が始まるが、同時におそらく十番勝負の最後を飾るだろうと思われる人物の詳細が描かれ始める。なあ、ドラマの水戸黄門と同じで、マンネリの中に安心感と面白さを見出せる。2022/09/07
はつばあば
51
読み友さんの読了宣言で空也さんの新刊が出たのを知り急ぎ購入。以前と違い空也さんも結構おしゃべりになられていたり、避けて通れる立ち合いにはそれなりの配慮を。今時の二十歳の青年には無い重みがどっしりと。おしゃれな佐伯彦次郎と相まみえるのは正月明けか・・。そういえば空也が江戸に帰ってきたら磐音夫婦はどこへ行くのだろう。道場には英次郎という後継ぎができた。空也ももう刀の世界でないことを知っている。磐音夫婦と空也夫婦が新天地を目指してトツクニへでも行ってしまうかも(^^♪。未来の夢は佐伯氏に任せよう2022/09/05
ひさか
47
2022年9月文春文庫刊。書き下ろし。シリーズ10作目。八番勝負まで来た。十番勝負の地は姥捨ての里なのか?。草木も靡いているフシがある。待ち遠しいことだ。2023/10/30