出版社内容情報
犯人を見つけるまで令嬢は何度も殺される。殺人の夜をタイムループし、関係者の人格を転移しながら真相を追え。阿津川辰海氏絶賛。
内容説明
舞踏会の夜、イヴリン嬢は殺される。その謎を解くのがおまえの任務だ。ルール#1:事件を解決するまで、この一日はずっとループする。ルール#2:新たなループに入ると意識は別の人間に転移している。ルール#3:探偵役はおまえ一人ではない。ルールは以上だ。さあ事件に挑め。究極の特殊設定みステリ登場。
著者等紹介
タートン,スチュアート[タートン,スチュアート] [Turton,Stuart]
イギリス生まれ。書店員、教師などを経て、ジャーナリストに。2018年、『イヴリン嬢は七回殺される』で作家デビュー。同作はコスタ賞最優秀新人賞を受賞するなど高く評価され、ベストセラーに。日本でも2019年「週刊文春ミステリーベスト10」で2位となった。2020年の第二長編『名探偵と海の悪魔』も英国推理作家協会スチール・ダガー賞と、英国歴史作家協会ゴールド・クラウン賞の最終候補となった
三角和代[ミスミカズヨ]
1965(昭和40)年福岡県生まれ。西南学院大学文学部外国語学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
57
タイムループサスペンス。同じ1日を繰り返す館に閉じ込められたエイデンは「毎日舞踏会の夜に殺され続けるイヴリン嬢の死の謎を解かなければ、このループから脱出できない」と仮面の怪人に告げられる。しかもループする度に別の人間に意識が転移してしまう。館の8人の招待客の意識に次々と転移しながら同じ出来事を様々な角度で観察するエイデン。見る人間が違うと同じ事実も全く違ってくるのが面白い。謎の協力者と調べていく内に繋がる過去の事件の謎やこの空間の意味など、真相にたどり着くまでが少しややこしかったがそれでも充分楽しめた。2022/09/08
Shun
36
冒頭、主人公の記憶は空白状態に陥ったまま女性の名を叫んでいる。しかし何故その名を口にしたのか、自分はどこにいるのか分からない。少し進むとそこには舞踏会が開かれている館があり、そして知人と思われる人物から告げられた己の名には覚えがなく全く知らない人物だった。そんな序章で幕を開ける本作は特殊設定の本格ミステリで、館という閉鎖空間での時間ループに加え、主人公の意識は複数人の身体を転移までするという複雑な内容です。この状況に陥った原因は終盤まで明かされず、毎回同じ結果を迎えるイヴリン嬢の死の真相が鍵となる物語。2022/07/17
おうつき
30
館もの+タイムループ+人格転移。一見複雑になりそうな設定だが、序盤を乗り越えたら意外と悩まずにすんなりと読めてしまった。登場人物も多いが、人格が別の人間に移る毎に順を追って紹介されていくので、把握もそれほど難しくない。道中で明かされていく事実により物語全体の構図が二転三転していく度に驚かされてしまった。最終的な犯人も全く予想がつかず、うまいこと騙された感じがする。阿津川辰海による解説も面白かった。2022/11/22
megu
24
面白い!館ミステリ+タイムループ+人格転移の本格ミステリー。髄分長いなー、引っ張るなー、なんて思いながら前半部分をちまちま読んでいたのだが、次第に加速。何のために?と思いながら読み進め、真相に辿り着いたときにはびっくりした。全く想像が及ばなかった。ただ、とても複雑な物語かつ、特殊設定なだけに理解が追い付かず、加えて、時間をかけて少しずつ読んでしまったために、前半部分を覚えていないところもあり、全然伏線を回収できていない。勿体無い。これは再読が必要かも。2022/09/07
にゃるび
22
何とか年内に滑り込みセーフ。お、面白ぇ〜!けど一回読んだだけでは理解出来てない細かい所が沢山ある。子育ての合間にちまちま読むには向いてなかったけど、後半の怒涛の展開は時間を忘れさせてくれた。館ミステリ×タイムループ×人格転移なので、まず登場人物の多さに何度も招待客リストを確認してしまった。イヴリン嬢を殺したのは誰なのか?何故人格転移させてまで事件を解決しようとするのか?細かいアイテムとかヒントも多いので、是非読み返したい。再読のための解説がめちゃくちゃわかりやすかった。2022/12/28