文春文庫<br> 将軍の子

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文春文庫
将軍の子

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167918927
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

徳川秀忠の子として生まれながら生後すぐ養子に出され、生涯親子の名乗りをあげなかった初代会津藩主、保科正之の数奇な運命を描く。

内容説明

生まれた直後に養子に出された徳川秀忠の庶子、保科正之。不遇にも見える生い立ちの陰にはさまざまな人との出会いがあった。生後まもない正之を引き取った武田信玄の娘、見性院。養父となった高遠藩主の保科正光。陰日向に見守ってきた老中、土井利勝。江戸城の外で育った「将軍の子」の成長を描いた傑作連作短編集。

著者等紹介

佐藤巖太郎[サトウガンタロウ]
1962年、福島県生まれ。中央大学法学部法律学科卒。2011年「夢幻の扉」で第91回オール讀物新人賞を受賞。2016年「啄木鳥」で第1回決戦!小説大賞を受賞。2017年にデビュー作『会津執権の栄誉』を上梓。この作品で「本屋が選ぶ時代小説大賞2017」に選ばれ、第157回直木賞候補にもなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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mapion

77
短編7編。徳川3代将軍徳川家光の時代から、将軍補佐役として政治に携わった稀代の政治家保科正之。2代秀忠が身分の低い女性に産ませた子で、徳川家に迎えられることなく高遠藩主保科正光のもとで育つ。やがて家光が異母弟の正之を迎え将軍補佐役とする。この小説では正之の心情が直接語られることは少ない。各編の主人公には正之と関わった人々が置かれ、それぞれ語られる物語で正光の姿が浮かび上がる。歴史的事実に乗せて語られる、派手さを控え抑えた筆致で綴られた物語は、いずれも胸に沁みるものだった。登場人物はコメント欄で。2025/04/26

ニックス

19
この作者の本は会津の執権に続いて2作目。前回の本が非常に面白かったためこの本を買ってみた。結果期待を裏切らず面白かった。将軍の子は保科正之こと。つまりこの本は保科正之の一生について書かれている。前作みたいに主人子の周囲の者の視点で章が進んでいき、保科正之の一生が分かる。この書き方がこの作者は非常に上手い。星4.52023/11/18

coldsurgeon

11
しっかりとした人物描写が、物語を引き締め、静謐な物語を生み出した。エンターテイメント性はないかもしれないが、江戸初期の幕府の成り立ちを理解できる。二代将軍徳川秀忠の落胤とされる保科正之の静かな活躍が、目を見張る。彼の政に向き合う姿勢には、常に民政が重要視され、民の安寧を心から望んでいたことがうかがわれる。様々な環境の中を生き抜き、大輪の花を咲かせたのだ。とてもうまい書き手だと思った。2022/08/18

たけはる

10
将軍家忠の子でありながら、親子の対面すらさせてもらえなかった保科正之。しかし正之は多くの人に支えられ、健やかに生い立ってゆく。 正之のさわやかな人となりが全編を通して清々しく、気持ちのよい読後感でした。2022/09/04

Moeko Matsuda

10
爽やかな読後感で、非常によかった。波乱に満ちた、しかし周囲の愛情にも本人の資質にも恵まれた保科正之の人生。この人が家祖なんじゃ、まぁ、その後の人々は大変だったことでしょう。様々な人が彼の周りを通り過ぎ、集ってくるわけだが、どうしても気になってしまうのがお江の方だ。彼女に関しては、いつも気の強い嫌な女、という描かれ方をしている気がするが、実際のところどういう人物だったんだろう。正之の奥方もどんな人だったか気になる。歴史にちらっと現れては消えていく女たちが、この時代をどう生きていたかを知りたいと思った。2022/08/11

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