出版社内容情報
昨年の発売後忽ち増刷がかかった文庫オリジナル新シリーズ、待望の第2弾! お彩の活躍、そして右近の隠された素顔も明らかに……。
内容説明
謎の京男・右近の正体は、呉服屋を営む塚田屋の妾腹の三男坊だった。強引な右近に押し切られ、呉服の色見立てを始めたお彩のもとには、様々な相談が舞い込んでくる。しかし、弟を目の敵にしている塚田屋の主人は、お彩が新たな流行り色を作れなかったら右近を江戸から追い出すと告げる。大好評の文庫オリジナルシリーズ第二弾!
著者等紹介
坂井希久子[サカイキクコ]
1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科卒業。2008年「虫のいどころ」で第88回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。17年『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』で第1回〓田郁賞、第6回歴史時代作家クラブ賞新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
226
右近と会えば、あーだこーだしてるけど、なんだかんだいっても、時には失敗することもあるけれど、色見立ての仕事に興味を持つお彩。負けん気を発揮して頑張る姿は好感が持てる。意地の悪い番頭は、どこの会社にもいそうな奴。ムカつくわ。更に輪を欠けて悪い奴が、店主の刈安。お彩に難題ふっかけてとんでもない野郎だ!お彩、刈安をギャフンとさせてくれい!と思ったところで、物語が終わったよ。続きが気になるじゃねえか。それにしても、いろいろな色があるなあ。ついついスマホ片手に色を調べながら読んでしまったよ(笑)。2022/07/30
のぶ
118
江戸彩り見立て帖のシリーズ2作目。1作目の「色にいでにけり」にも感心したが、本作でも色についてのこだわりに感心させられた。主人公は前回と同じく、天性の鋭い色彩感覚があるお彩。その才能を知った謎の京男、右近に色にまつわる無理難題を持ち込まれる5つの連作短編集。まず、日本の色の表現にはこれ程の数があるという事に驚かされる。文章だけでなく色見本で確認したくなった。どの色も文化や芸能に密接につながっているのが面白い。そんな部分が内容に良く出ていた。ただ色の表現が多彩な分、ストーリーが希薄になった気がした。2022/05/21
ツン
109
東男と京女ではなく、江戸娘と京男。この二人の取り合わせがおもしろい。伝統色の名前もとてもいい。最後に出てきた色、調べてみたら実在!泉市さんも実在で、そう聞くともっと興味が湧いてきました。彼らの挑戦が楽しみだけど、恋の話にはならないのかな?キュンも切なさも全然ないみたいだけど。2022/05/17
タイ子
107
シリーズ第2弾。江戸時代のカラーコーディネートの物語。腕のいい版画の摺師だった父親が火事で失明、何とか立ち直った父親と2人暮らしのお彩。天性の色彩感覚を持つお彩の元に呉服屋の右京が色見立ての仕事持ってくるが、店の主人である右京の兄が自分は吉原に入り浸っているくせに何かと難癖をつけてくる。嫌いだわ、コイツ。右京とお彩に出した注文が流行りになる色を見つけろという。これが出来なければ2人を江戸から追い出すだと。受けて立つ!宣言したお彩の色彩感覚は果たして?!続編が待たれる。何だか「あきない世傳」の妹版のような。2022/05/25
おしゃべりメガネ
90
シリーズ第2弾です。シリーズ1作目を読んだトキより、そんなにハマれてなかった感が否めず。やはり色の話だけに、文字の描写で伝えるには自分にはちょっと厳しいですね。どうしても色に関する解説等を綴らざるを得ないのですが、イマイチ伝わらず。せっかく「彩」と「右近」の掛け合いが魅力的だったのに、色は講釈で大半を費やし、二人のやりとりは最小限に。後半にはイヤな番頭のハラスメントレベルの策略にイライラ。確かに「右近」の飄々とした振る舞いが時折イラッとくるのはよくわかります。次も読みますが、ちょっと期待値ダウンですね。2024/09/30
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- 仁義なき映画論 文春文庫