出版社内容情報
あんぱんにもお酒にもスーツにもその背後に長い時間と歴史を感じさせる銀座。そんな街を現在から過去、未来へと旅するエッセイ集。
内容説明
あんぱんを買い、一杯の酒を飲み、一着のスーツを作る。「一冊の本を売る」コンセプトで人気の森岡書店代表が、銀座の街を現在から過去、そして未来へと旅をする。明治の大火や関東大震災に戦災、そしてコロナ。幾度もの危機を経てきた街とそこに関わる人々の魅力を、味のあるイラストと伊藤昊の写真と共に描きだすエッセイ。
目次
和光の鐘
銀座の柳とアンリ・シャルパンティエ
ライバルとビヤホールライオン銀座7丁目店
鳩居堂の偶然
はち巻岡田の味
森茉莉と贅沢貧乏と銀座
銀座の紫陽花
考現学と童画の1925年
1600年頃の銀座
ソニーパークと東京大自然説〔ほか〕
著者等紹介
森岡督行[モリオカヨシユキ]
1974年山形県生まれ。神保町の老舗古書店での勤務ののち、茅場町で写真集や美術書を主とする古書店兼ギャラリー「森岡書店」を経て、2015年5月に銀座1丁目に一冊の本を売る店として「森岡書店銀座店」を開店。2017年6月、森岡書店総合研究所を開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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fwhd8325
62
最近、久しぶりに銀座を歩いたばかりだったので楽しく読むことができました。時代や、世代によって変化はするけれど、銀座という街自体は進化しながらも不変のようにも感じます。若い頃には入ることもなかった鳩居堂へ行ったりと、私自身の楽しみ方も変わってきました。ユニクロ銀座では銀座の老舗とのコラボTシャツが販売されたりと、新しくも伝統のある街なんだと実感。この著書もまさしくザ銀座。イラストも写真も素敵でした。2022/05/10
ばう
56
★★ 「花椿」で連載していた銀座に纏わるエッセイをまとめたもの。連載期間がほぼ800日だったので『800日間銀座一周』なのです。著者はあの1冊の本だけを売る森岡書店の店主。静かな語り口で綴られるエッセイはただの銀座ハンドブックという感じではありません。著者の思い出や銀座の過去と現代、銀座の生態系など、ちょっと違った切り口の話ばかり。伊藤昊のイラストが良い味を出してます。2023/01/09
ズー
17
今の銀座というよりかは、昔のことがベースになっている。あらためて、銀座って歴史のある街なんだなぁと。挿絵の横に添えられた手書きの文字が、小さすぎて読めない!!!2022/05/23
わんつーろっく
13
初出は資生堂の「花椿」に連載された現代銀座考。連載期間がおよそ800日、この間コロナ禍ど真ん中。今こそ銀座の良さを書きたいと。銀座に馴染みの店など私にはないけれど、昭和の香りを感じながら、目的もなくぶらぶら歩きたくなるエッセイだ。母が化粧品を買うと、花椿という冊子をもらっていたなぁ。戦後の闇市で初めて買ったものが化粧品だったという思い出話を思い出しながら、紅葉狩りもいいけど、街へ行きたい、そこで息づく人々に出会いたい。そんなふうに思わせる銀座のつれづれ。2022/10/22
Inzaghico (Etsuko Oshita)
10
資生堂のウェブ「花椿」の連載がまとまったもので、昨年末ぎりぎりの連載まで入ってて鮮度がいい。タイムマシーン仕立てあり、「あれ? もしかして恋バナ?」仕立てあり、なかなか興趣に富んでいる。 惜しむらくは、森岡のイラストに添えられた自筆の文字が小さい! 老眼でまったく読めず、ハズキルーペのお世話になった。本文を読むときには要らないから、かけたり外したりが鬱陶しかったな(苦笑)。2022/04/18