出版社内容情報
浅草橋近くにある海産物問屋〈三陸屋〉が、朝になるのに戸が開かない。
もしや、押し込みが入って皆殺しにでもされたのではと騒ぎになり、同心・土久呂凶四郎が戸を破って入ると店の中は血まみれ。
奥に手代が一人倒れていて、壁に「がしゃどくろ」と血文字で書かれている。
店にはまだ十名ほど人がいたはず。
奥にある巨大な蔵から、がしゃがしゃという奇妙な音がする。
鍵を破って戸を開くと、遺体の判別がつかないほどのむごたらしい有り様だった。
そして隣家の旗本までも血塗れで昏倒していた。
これは餓舎髑髏の仕業なのか?
「耳袋秘帖」好評の南町奉行シリーズ第3弾!
内容説明
浅草橋の海産物問屋・三陸屋の蔵の中で、首や手足がバラバラに切断された十人をこえる男女の死体が発見された。一人だけ屋敷の中で死んでいた手代のかたわらには「がしゃどくろ」の血文字が。さらに、訳あって自ら閉門していた隣家の旗本・高瀬進右衛門は全身に凄まじい血を浴びて昏倒していた。いったいなにが起きたのか?
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。立教大学法学部卒。93年、『黒牛と妖怪』で第17回歴史文学賞を受賞。2002年に、第1回北東文芸賞を受賞。15年に「耳袋秘帖」シリーズで、第4回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。15年『沙羅沙羅越え』で第21回中山義秀文学賞受賞。人気時代小説シリーズを数多く執筆。現代小説も執筆する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雅
66
凄絶な殺人現場から始まった今作。なかなか難しい事件でしたが、管轄を超えた捜査もあって解決へ。根岸奉行のタンカがカッコ良かった2022/11/13
ひさか
27
2022年6月文春文庫刊。書き下ろし。耳袋秘帳南町奉行シリーズ3作目。長編。稀代の妖物餓者髑髏による陰惨な殺人事件を南町奉行所の精鋭が解き明かす。ラストの謎解きが見事でした。評定所で謎解きする根岸肥前守のあっはっは笑いが陰惨さを吹き飛ばしてくれました。2023/06/02
イシカミハサミ
14
このタイトルで ここまでの流れなら このぐらいの話にはなるだろうという 期待にしっかり応えてくれる作品。 ただ読後感としては さすがに作り物感がありすぎて お腹いっぱいになる。 餓舎髑髏自体昭和の時代に生まれた妖怪だというし、 スタートからそういう作品だと言われればその通りとしか言えない。2022/07/25
まこ
14
事件の入りが今回キツくて、しめさんと雨傘屋のメンタルを心配するレベルだったから、終盤の悪事明かしはスカッとした。グロい物そのものでなく、グロいことする人間が一番グロいというしめさんの言葉が、犯人の1人のやってる事に繋がるし、自分がグロ嫌いなのもそれが理由なのかな2022/06/12
一五
13
なんか凄いのにやられたらしい死体が蔵に沢山😱 根岸は内心 「そりゃ人だろ」とか思ってるんだろうな。珍しく根岸左肩の赤鬼出たぁ2022/08/10