出版社内容情報
女性レスキュー隊員の志賀野が休暇中に火事を発見(「反省室」)。他、短篇の名手が贈る、和佐見消防署消防官たちの9つの物語。
内容説明
消防署漆間分署、第一警防課第一救急係の今垣睦生は、増水している川へ飛び込もうとした女性を救う。今垣と交際を始めた彼女はなぜか再び自殺を試みる…(「石を拾う女」)。西部分署副署長の吉国智嗣は、殉職した息子のお別れ会で思い出を語る。しかし、息子の死の真相は…(「逆縁の午後」)。他、全九篇収録。
著者等紹介
長岡弘樹[ナガオカヒロキ]
1969年山形県生まれ。筑波大学卒。2003年「真夏の車輪」で第25回小説推理新人賞を受賞。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。13年に刊行の『教場』は、同年の「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第1位に輝き、14年本屋大賞にもノミネートされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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五右衛門
64
読了。久しぶりの作家さんでした。短編集でした。とある消防署分署の消防隊員たちのお話でした。少しずつミステリーも絡めてありました。中には火災現場でのゾクっとするような内容も…中にはブラジルでのお話もありましたがこの章はすいません。あまりわからなかったけれどもまた、この作家さん読みたいと思います。なにせ人間心理の読み方が深いので。2022/04/12
坂城 弥生
48
消防士の短編集。人の命に直結するお仕事ですね。『命の数字』が特に好きでした。2022/04/26
yamatenodolphine
35
傍聞き、教場シリーズの長岡弘樹作品の消防署を舞台にした短編集。警察を舞台にした作品は数々あれど、事件発生後の犯人や動機探しが主題となることが多く大抵は既に起きてしまった事件を紐解いていく中、消防士、救命士はまさに火事や事件の発生現場に駆けつけるのが仕事なので、現場の臨場感を味わえました。計9本の作品はどれもめでたしめでたしで終わるものはなく、何かが引っかかるザラッとした苦い読後感。分署のメンバーがどの作品にも主役になったり通りすがりだったりで何人かずつ登場するので、気がつくと親近感を覚えていました。2022/06/18
ちょん
22
警察小説はたくさんあるけど、消防は少ないのでとても貴重品✨しかも長岡さんの連作短編✨✨スッキリ気持ちいい話、というよりもどこかよじれててダークな感じがとても良かったです。2023/06/02
tetsu
22
★3 「教場」の長岡弘樹。今回は消防士にまつわる9編の連作短編集。 自殺に関わる話が多かったのは、消防士が人の生き死に強くかかわるストレスフルな職業だからなのでしょう。 教場も独特ないやな話が多かったが、この本も後味は決していいものではないが、長岡弘樹らしいひねりがスパイスとなりサクサク読めるミステリーになっている。2022/05/14