出版社内容情報
若く、美しいバーの売り子。彼女の虚ろな表情が物語る、残酷な現実とは――。名画の背後に潜むドラマを読み解く絵画エッセイ17篇。
内容説明
華やかなミュージックホールのスタンドバーに立つ売り子。整った顔立ちながら虚ろな表情の彼女が、飲み物と一緒に売るものは…。運命の分岐点に立ち、あらがい、翻弄される人間たちのなまなましい姿。名画の背後にある運命のドラマをひもとき、画家の企みと時代のリアルに迫る、スリリングな絵画エッセイ。
目次
若さと綺麗な顔だけを武器に―マネ『フォリー・ベルジェールのバー』/ロートレック『二日酔い(シュザンヌ・ヴァラドン)』
車輪は廻り続ける―バーン=ジョーンズ『運命の車輪』
生還できるか―ホーマー『メキシコ湾流』『ハリケーンの後で』/ジェリコー『メデューズ号の筏』
日比谷公園との関係―ルーベンス『ロムルスとレムス』
駄犬じゃけえ…―ブリューゲル『雪中の狩人』
遺書になりそこねた大作―ゴーギャン『我々はどこから来たのか我々は何者か我々はどこへ行くのか』『レ・ミゼラブルの自画像』『死霊が見ている』
死びとは駆けるのが速い―ヴェルネ『レノーレのバラード』/シェフェール『レノーレ‐死者は駆けるのが速い』
敗戦の将をいたわる―ベラスケス『ブレダ開城』/ルーベンス『侯爵夫人ブリジーダ・スピノラ=ドーリア』
表現者になるため生まれてきた―ワッツ『選択』/サージェント『マクベス夫人に扮したエレン・テリー』
聖書を破り捨てて―ムンカーチ『死刑囚の監房』『ハンガリー軍服姿の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世』
大金持ちのゴミ屋敷―モロー『ユピテルとセメレ』
若き英雄の誕生―グロ『アルコレ橋のナポレオン』『ヤッファのペスト患者を見舞うナポレオン』
老兵はただ消え去るのみ―ターナー『戦艦テメレール号』
久米仙人との違い―ボス『聖アントニウスの誘惑』/テニールス『聖アントニウスの誘惑』
胸塞がる物語―ティツィアーノ『マルシュアスの皮〓ぎ』/ペルジーノ『アポロンとマルシュアス』
女神とイージス艦―クリムト『パラス・アテナ』/ルーベンス『メドゥーサの首』
荒々しい馬市―ボヌール『馬市』『バッファロー・ビル肖像』
著者等紹介
中野京子[ナカノキョウコ]
北海道生まれ。作家、ドイツ文学者。2017年開催「怖い絵展」特別監修者。西洋の歴史や芸術に関する広範な知識をもとに、絵画エッセイや歴史解説書を多数発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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