出版社内容情報
ミュージシャンとなった僕は、元牧師の“電気治療(ヒーリング)”のおかげでヘロイン中毒を克服していた。だが後に、彼の治療を受けた一部の人たちが後遺症に苦しんでいる実態を知る。僕は「ヒーリングをやめるべきだ」と進言するが、彼は“神秘なる電気”の研究にのめりこんでいき……。ジワジワと襲う恐怖、ホラーの帝王、面目躍如の巨編!
電気に憑かれた元牧師は
詐欺師か、真の魔術師か?
『フランケンシュタイン』メアリー・シェリー、
「クトゥルフ神話」H・P・ラヴクラフトら、
ホラーの巨匠たちに捧げる新たなる恐怖小説!
内容説明
ミュージシャンとなった僕は、元牧師の“電気治療”のおかげでヘロイン中毒を克服していた。だが後に、彼の治療を受けた一部の人々が後遺症に苦しんでいる実態を知る。僕は「ヒーリングをやめるべきだ」と進言するが、彼は“神秘なる電気”に執着して…。ジワジワと襲う恐怖、ホラーの帝王、面目躍如の巨編!
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン] [King,Stephen]
1947年、アメリカ、メイン州生まれ。高校教師を経て、1974年『キャリー』で作家デビュー。初のミステリー作品である『ミスター・メルセデス』でエドガー賞最優秀長編賞を受賞
峯村利哉[ミネムラトシヤ]
1965年(昭和40年)生まれ、青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねりわさび
98
主人公が完治不能の病人たちを救おうとする男と出会い、そして終焉に至るまでの60年間を描いた長編ホラー小説。下巻から治療薬であるはずの電流の邪悪な正体がつまびらかになっていく展開、次第に不幸に陥られる登場人物たちの描写がキングらしい。たいへん面白かったですね。2025/04/17
HANA
61
主人公と神を捨てた牧師の再開から物語は一気に動き始める。基本的に付かず離れずの関係なので、主人公の視点からだと牧師の目的がわからないがやっている事の不穏さはわかるので、どこか隔靴搔痒の感がありそれが嫌な居心地の悪さを感じさせるなあ。目的は某ホラー映画を思わせるが、向こうではそれがはっきりしなかったのに比して、流石の著者というかそれをはっきりと書ききるのは凄い。誰もが逃げ場が無いのもまた良し。献辞にあるように『パンの大神』を連想させたり、クトゥルー魔導書が出たりと、ホラーファンへのサービスもばっちりでした。2024/02/29
眠る山猫屋
60
再会した牧師の変貌。何かがおかしい。ジェイミーの周囲に不穏な空気が漂い始める。3パーセントの悲劇。チャールズ元牧師の行う奇蹟の治癒の副作用は3%だが、運命のしがらみに縛られたジェイミーは、変わり果てたジェイコブの最後の試みに付き合ってしまう。可愛い姪が何かを察してしまう、あるいは若い恋人であり協力者だったブリーも距離をとり始める中、自身はチャールズの重力に抗えない。雷と雷鳴の場所で、かつての恋人アストリッドを絡め取られ異界への扉が開かれた。キングに期待する物語の重力は、この作品ではやや弱いものだが、2022/10/25
Sakie
20
愛ゆえ、選んでしまう。愛ゆえ、踏み外してしまう。ドラッグや金のためじゃない。だから切ない。そして、かの神は厄介だ。信じるか信じないかの二択を突きつける。生きかたの指針だったはずが、近視眼的なご利益にすり替わっていく。または明らかにトランプの集会やカルト集団を模した独善的な集団的高揚に堕してしまう。神を拒絶したジェイコブズは邪の道へ転落した。かの宗教ではそれは即ち地獄なのだ。その感覚はゆるやかな信仰を持つ私にはわからない。でも人を試すような神はいやだ。どっちみち、喪失には耐えるしかない、その手段なのだから。2024/06/23
つきかげ🌙
15
怖いというよりは気持ち悪い。後味の悪さはピカイチ。2024/08/05