出版社内容情報
直木賞候補作『ふたご』の著者が、大切な本を通して、自身の人生のターニングポイントとなる瞬間を切り取った、瑞々しい初エッセイ。
内容説明
友だちとうまくいかなくなった時、恋人と別れた時、どうすればいいのか、いつも本が教えてくれた。村上春樹「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」、宮下奈都「羊と鋼の森」、吉田修一「パレード」、西加奈子「サラバ!」…。大切な本を通して、人生のターニングポイントとなる瞬間を切り取った、瑞々しい初エッセイ。
目次
犬の散歩
皮膚と心
もし僕らのことばがウィスキーであったなら
パレード
羊と鋼の森
コンビニ人間
妊娠カレンダー
火花
ぼくは勉強ができない
サラバ!
花虫
武道館
詩羽(しいは)のいる街
悪童日記
空っぽの瓶(ボトル)
フェミニズム批評
グレート・ギャツビー
夏の夜
ひとりの時間
著者等紹介
藤崎彩織[フジサキサオリ]
1986年大阪府生まれ。2010年、突如音楽シーンに現れ、圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感で「セカオワ現象」と呼ばれるほどの認知を得た4人組バンド「SEKAI NO OWARI」でピアノ演奏とライブ演出、作詞、作曲などを担当。研ぎ澄まされた感性を最大限に生かした演奏はデビュー以来絶大な支持を得ている。文筆活動でも注目を集め、2017年に発売された初小説『ふたご』は直木賞の候補となるなど、大きな話題となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐっち
19
セカオワのSaoriさんのエッセイ。本の紹介に絡めて、Saoriさんの日常?人生?が垣間見える。ミュージシャンならではの本のタイトルから始まって、本の選び方も文章の紡ぎ方も素敵。小説のほうも読んでみようと思った。2025/02/01
Good Tomorrow
10
本はいつもそばにいてくれた。人生を本が守ってくれたと語る。著者はSEKAI NO OWARIのsaoriさん。生活や仕事、出産の体験を交え、寄り添ってくれた本を紹介する。読書感想文風エッセイ。まっすぐで読みやすい、誠実で優しさを感じる文章。本を通して自分の気持ちや体験を整理して、自分と向き合う。読書時間が多くなると、内向きで内省的、自分の繊細さが嫌だなと思うことがあるけど、この本はそんな気持ちも素直にさせてくれる。本が好きでよかった。2022/03/16
Mark X Japan
10
邦楽は疎いので、著者が有名なグループのメンバーであることを知らずに購入しました。書店でタイトルに惹かれて手に取って、目次を見て強く惹かれました。本文をパラパラ見たら、引用が絶妙で、購入を決めました。目次は大切とよくいわれています。タイトルも同じ位大切だと実感した一冊です。このタイトルでなければ手に取ることもなかった一冊でした。内容や構成も、企画倒れではない立派なものでした。☆:4.02022/01/23
メル
4
私には最高なエッセイ Saoriちゃんの子供の頃から母親になるまでの様々な苦しい感情が、自分と重なる部分が多くて自分の中にストンと入ってきた 色々な小説の一節と共にエピソードが綴られていてとても興味深くて、1話ずつ大切に読んでたけど一気読みしてしまった〜 執筆に5年かかったという小説『ふたご』、今更興味が湧いたので読んでみたい 2023/01/09
coldsurgeon
4
読書・本を通じて、著者の人生の軌跡を振り返るエッセイ。本とともに、生活の彩があることが分かる。読書することにより、人生が大きく変わるわけではないが、心が激しく動く時、凪の海のように静かな心に気づく時も、本は傍にあったおうだ。2022/03/07