出版社内容情報
酒匂太郎兵衛との勝負で瀕死の重傷を負った空也は、異人外科医の手当てをうけるも意識が回復しない。江戸では磐音らが案じるが……。
内容説明
武者修行中の嫡子・空也の身を案じる江戸の坂崎磐音のもとに、長崎会所の高木麻衣から文が届く。酒匂太郎兵衛との勝負の末、瀕死の重傷を負った空也は、出島で異人外科医の手当てを受けたものの、意識が回復しないという。懸命の介護を続ける麻衣のもとを高麗の剣術家が訪れ、二日間、空也とふたりだけにしてほしいと願い出る。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
92
このシリーズも5巻で終わりだと思っていたのですが、新装版とその続きということで文春文庫から出されたのですね。以前は双葉文庫だったのですがいよいよ文春文庫と光文社文庫に絞っているようですね。ここでは5巻で相打ちのような感じでしたが奇蹟的に息を吹き返しさらには飛び道具の腕も磨いていよいよ海外(上海)まで出張って活躍しています。また日本に戻って剣の道で10番まで行くのでしょうね。2022/01/09
やま
74
江戸は神保小路の直心影流尚武館道場十代目道場主、坂崎磐音の嫡男、空也の武者修行の物語です。薩摩示現流の酒匂太郎兵衛と真剣勝負をして、瀕死の重傷を負った直後に、物語は終了したかに思えた物語を著者は、3年ぶりに書きだしました。寛政11年(1799)、空也20才。長崎会所の高木籐左衛門の姪である高木麻衣の献身的な看病により奇跡的に回復した空也は、長崎奉行の密偵鵜飼寅吉と高木麻衣と一緒にイギリス東インド会社の設立メンバーであるグレン・スチュワートの娘アンナを助け出すために中国の上海へ向かい見事助け出します。→2022/09/16
雅
69
死闘の末に重体となった空也がどうなるかと思っていたら、上海で復活。舞台が大きく広がって楽しみになった2022/05/27
TakaUP48
68
薩摩の酒匂一派最後の刺客・太郎兵衛との勝負の末、瀕死の重傷を負った空也。高木麻衣等の救出で、出島での異人医師の手当てを受けるが、意識がなかなか回復しない。武者修行中の嫡子の身を案じる江戸の坂崎磐音のもとに、長崎会所の麻衣から文が届く。一度は、弔いの準備もしたことのある母おこん、妹・睦月や江戸にいる眉月も心穏やかならず…。高麗のあの剣術家が訪れ、空也と二人だけにして欲しいと願い出る…。回復した空也は、麻衣らと上海へ。蕃族一味に拉致されたイギリス人の娘の救出に向かい、薩摩剣法を操る高麗人と対決するのだが…。2022/01/10
はつばあば
57
異変ありや・・この本は3年振りとか。きっと佐伯さんにも何かあったのでしょう。またもや肉体的には無事回復した空也だが・・。師匠でもある剣術家・李遜督に生を吹き込まれ蘇生した。佐伯氏も読者の反面喝を入れられたかスルスルと7番勝負まで書いて下さったようで5月の発売日が待ち遠しい。幕末の様相が流石九州。そういえば私の好みの作家さんて九州出身者が多いみたい。北方さんも福澤徹三さん、葉室麟さんもそうでしたよね。皆さん凄い武骨で一本筋が通っていて・・。なのに、かの帝王麻生氏は漫画のみとか・・もったいない2022/03/28