内容説明
1986年の夏、12歳のエディと友人たちが見つけたバラバラ死体。終わったはずだった事件が、30年後のいまよみがえる。チョークで描かれた棒人間とともに。少年小説の切なさと、サイコ・スリラーの恐怖を繊細かつ大胆に往還し、恐るべきラストが待ち受ける。S・キング激賞、世界40カ国以上刊行の傑作が文庫化。
著者等紹介
チューダー,C.J.[チューダー,C.J.] [Tudor,C.J.]
イギリス、ソールズベリー生まれ。現在はノッティンガム在住。声優やコピーライター、犬の散歩代行などの職を経て、30代なかばから作家を目指す。デビュー作の『白墨人形』はイギリスで9つの出版社による争奪戦が行なわれる話題作となり、世界40カ国以上で刊行
中谷友紀子[ナカタニユキコ]
神奈川県生まれ。京都大学法学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しましまこ
17
てっきりホラー寄りかと思えば、ガッツリミステリー。2021/05/09
本木英朗
16
英国の現代ミステリ・ホラー作家のひとりである、C・J・チューダーの1作目である。1986年の夏、12歳のエディと友人たちが見つけたバラバラ死体。終わったはずだった事件が、30年後のいまよみがえる。チョークで描かれた棒人間とともに。少年小説の切なさと、サイコ・スリラーの恐怖を繊細かつ大胆に往還する作品!という話である。今回も俺はまったく分からなかったよ。真犯人が誰かってところも含めてねえ。さすが作者である。またいつか読もうと思う。2021/09/05
Satoshi
14
スティーブン・キング推薦作。舞台はイギリスの田舎町。ホラーというよりサイコサスペンスでああり、かなりの面白さ。犯人の動機は明確なのにとある理由で容疑者から外れており、そこあたりはホラーである。主人公がアルツハイマーに罹患するラストは物悲しいし、ラストの描写もアルツハイマーによる妄想なのか疑ってしまう。ミステリーとしては禁じ手であり、少し興ざめかな。広げた風呂敷の畳み方が強引なところもスティーブン・キングオマージュかな。2022/11/15
まさ☆( ^ω^ )♬
11
なるほど、S.キングの影響を受けている作者の作品だけあって、キング作品に対するオマージュを感じる。英国版「IT」「スタンド・バイ・ミー」といったところか。しかし、本作はホラーではなく結構王道のミステリだと思った。内容はというと、中盤辺りまでのテンポが遅く感じて、期待してたほどの面白さは感じなかった。謎が解き明かされる頃辺りからようやくノれた感じ。ラストは中々の衝撃。次作も翻訳されているので読んでみようかな、とは思えた。2023/12/23
ななこ
8
キングへのオマージュというのに納得。『IT』同様に子供時代の過去編と現在のエピソードが交互に絡み合い、不気味な事件の真相へと迫っていきます。不気味さと爽やかさを内包するストーリーは、やはりキングを彷彿とさせます。二転三転する犯人像、闇を抱えた登場人物たち…正義と邪悪さは紙一重。それにしても作者が女性だったことに一番びっくりでした!2022/01/09