出版社内容情報
裏山で見つかった、9歳の少女の惨殺体。”犯人”は、まだ13歳のぼくの弟だった。絶望と痛みの先に、少年が辿りつく真実とは――。
内容説明
閑静なニュータウンの裏山で惨殺された9歳の女の子。犯人として補導されたのは“ぼく”の13歳の弟だった。日常のすべてが崩れていく中で中学生の兄は、弟に何が起きたのか知りたいと調査を始める。過熱する報道、学校での嫌がらせ…絶望と痛みの先にみえるものとは。少年の闘いと成長を描く、傑作長編。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。97年、「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。受賞作に3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫)でデビュー。2003年、『4TEEN』(新潮文庫)で直木賞を受賞。06年、『眠れぬ真珠』(新潮文庫)で島清恋愛文学賞、13年、『北斗 ある殺人者の回心』(集英社文庫)で中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウララ
7
「池袋ウエストゲートパーク」の次に発表された作品だと言うことは知らなかった。また違うテイストの作品になっている。たぶんつくば学園都市みたいな街が舞台になっている。9歳の女の子が殺され、弟が犯人として補導された14歳の僕は、なぜ弟がそんなことをしたのか調査を始める。エリートが集まった中高一貫教育の学校がちょっと気持ち悪い。でも本当の友達にも出会い、そこでの友達との交流が石田衣良らしく描かれていた。2023/12/06
emtb
6
小学三年生の女の子が殺された。犯人は13歳の少年で、それは自分の弟だった。報道陣に追いかけられ、両親は離婚し、引越を余儀なくされる。でも、名前も変えないし転校もしない。逃げても仕方ない。カズシが弟であることは変わりないから。なぜ弟があんなことをやったのか調べることにしたミキオ。弟に寄り添ってあげたい一心で。 「うつくしい子ども」というタイトルはミキオのことなんだな、とわかる。見た目がうつくしいカズシやミズハとは違い容姿は普通でニキビ面だけど、ミキオの真っ直ぐさに心打たれる。重いがミキオの優しさに救われる。2021/11/19
文太
6
13才の弟が少年Aとして逮捕された。加害者家族を扱う作品は多いが、残された家族にではなく、事件を起こした当人を支えようと奮闘する作品はあまり読んだことがない。今までの生活が激変し、否が応でも成長しなければならない。わずか14才の少年にのし掛かる重荷は自分には想像もできない。それでも折れない芯を持ち続け、事件後に友達にも嫌がらせの被害が及ぶとその事に涙する優しさを持つジャガの姿は応援せずにはいられない。事件後初めての弟との面会でまた打ちのめされるが、それでももがき、前に進み続けようとする姿勢には感動する。2021/05/29
よう
4
再読。2022/09/24
terukravitz
4
★★☆☆☆2022/04/27