内容説明
文政11年暮れ。雪の照降町に「鼻緒屋」の娘・佳乃が帰ってきた。男と駆け落ちしてから三年の間に父は病に伏し、店には職人見習いの浪人・周五郎が。父に替わり職人の腕を磨く佳乃は老舗「宮田屋」や吉原の花魁・梅花から認められる。そんな時、あの男が現れて―己丑の大火前夜、出戻った女を町が守る!知恵と興奮の物語、全4巻。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビューは『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
112
照降町四季「初詣で」1巻。面白いシリーズです一気読でした。駆け落ちして三年後に出戻ってきた主人公佳乃、照降町の鼻緒屋には、病に伏した父弥衛衛、母の八重、複雑な過去がありそうな職人見習の浪人周五郎が、人情あふれる長屋の物語になりそうですね次巻が楽しみ。 2021/05/07
KAZOO
100
佐伯さんの4カ月連続で出版される、江戸時代における女職人の物語です。駆け落ちした娘が男のばくち狂いから逃れてきて実家に帰ったところから始まります。そこには元武士であった人物が家業を手伝っています。もともと鼻緒の技術があった主人公が認められていく様子が描かれていて、さらに元武家の手伝い人の人物が謎を帯びて…。吉原の人物なども出t来て楽しめます。2021/05/05
やま
93
嬉しく、胸が温かくなる、女職人が風を起こす新シリーズ始動。 シリーズの1作目。字の大きさは…中。 物語は、文政11年(1828年)もあと数日で終わろうとする夕暮れ時から、文政12年(1829年)晩春3月21日まで。舞台は、江戸の魚河岸に近い照降町。 ならず者の三郎次と駆け落ちした鼻緒屋の看板娘・佳乃と、大名家の御家騒動に嫌気をさして徳川家譜代の豊前小倉藩小笠原家15万石を抜け出した浪人・八頭司周五郎が、3年ぶりに出戻って来た佳乃の実家、照降町の鼻緒屋で助け合って生きる物語です。🌿続く→2021/06/02
タイ子
86
佐伯さんの時代小説はもしかして初めてかも。本作が4か月連続刊行ということでこれを機会に。江戸は照降町の鼻緒屋が舞台。父親が病で臥せったところに、3年前にクズ男と駆け落ちをした娘の佳乃が男の元から逃げ帰ってきた。そこには見知らぬ浪人風の男が見習いの修行中。町の皆の温かい出迎えを受け、佳乃が店を手伝うことに。彼女の腕前で店は安定、そこに別れた男がやってくる。頼りになるのは見習の浪人・周五郎。過去ありなのだが、剣術の腕前は確か。一家に1人は欲しい人。このまま居ついてくれるのか?次巻も楽しみなシリーズ第1弾。2021/05/08
雅
73
新シリーズ。登場人物や舞台設定が変わっても佐伯作品らしさは健在。なかなか楽しいシリーズになりそう2021/07/01